メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

繰り返す「部下に一任」 さく裂の「石原節」

豊洲市場移転問題をめぐる百条委で証人席に座り、水を飲む石原慎太郎元都知事=都議会で2017年3月20日午後1時6分、小出洋平撮影

「私は立場も権限もない」の「ないない」を連発

 東京ガス幹部、元市場長、元副知事の証人喚問を経た豊洲市場(東京都江東区)の移転問題を巡る都議会の百条委員会。石原慎太郎元知事は20日の喚問で今月3日の記者会見と同様「部下に一任していた」と繰り返した。強い調査権限を持つはずの百条委は今後も続くが、証人によって説明の食い違いが多く、東ガスからの用地取得に至る経緯解明の糸口をつかめていない。

 百条委では、豊洲移転を決断した経緯▽豊洲市場用地の地権者だった東ガスと都の「水面下の交渉」▽土壌汚染対策費が858億円に膨らんだにもかかわらず東ガスの負担を78億円にとどめた瑕疵(かし)担保責任(将来の費用負担)を免除した妥当性--の検証が期待された。

 20日の百条委は、石原氏の体調を考慮し3時間の質疑を1時間に短縮、写真撮影も冒頭5分に制限した。近くに2人の主治医が待機し、質疑は証言席に座ったまま行われた。

 石原氏は最初の質問に答える前に「2年前に脳梗塞(こうそく)を患い後遺症に悩んでいる。記憶を引き出せないことが多々ある」と配慮を求めた。それでも質疑に入ると手ぶりを入れながらの強い口調で「(当時の副知事の)浜渦武生氏に任せていた」「担当者に一任していた」と繰り返し、堂々巡りのやり取りが続いた。

 石原氏は豊洲移転について「(前任知事の)青島幸男氏からの引き継ぎにあった」と用地選定に自身が関与していないことを強調した。ただし、これまでの百条委で浜渦氏は「石原氏に『市場を豊洲に移すから用地交渉をしろ』と言われた」とし、東ガス元幹部も「浜渦氏が石原氏の名前を出し強く要請してきた」と証言。さらに元市場長の大矢実氏が「築地再整備も含め複数案を提示した」と述べている。

 瑕疵担保責任の免除についても食い違いが生じた。元市場長の岡田至氏は百条委で「09年7月に石原氏に説明した」と証言したが、石原氏は「昨年10月の小池百合子知事からの質問状で知った」と述べて認めなかった。

 当時、市場移転を推進していた公明党は、豊洲移転を巡る経緯を都議選の争点とすると明言した小池知事と選挙協力することで合意している。公明が態度を一変させ「(用地購入交渉について)議会も審議会もあるが、最終的な判断をするのは知事」と批判すると、石原氏は「だから私は最終的な判断をした」と声を荒らげた。

 また、水面下の交渉について「一任していたのではなく、最高責任者の知事が適切な指示をすべきだったのではないか」とただされると、「行政は一人の人間が仕切ってできるものではない。私は立ち入って問題を詮索する立場も権限もない」と「石原節」がさく裂。移転を中止した小池知事を「専門家会議も安全としているのだから速やかに決断すべきだ」と批判すると傍聴席からやじが飛び、傍聴人が退場させられる場面もあった。

 小池知事は喚問後、報道陣の取材に応じ「地下水モニタリングも石原都政で決まった。私が(移転への)ハードルを上げたわけではない」と述べた。【林田七恵、森健太郎】

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 失禁 5人に1人「便」経験 男性、20~30代やや多く
  2. 東大 セックスでの同意とは…「キャンパスレイプ」なくせ
  3. 船橋市 公園でのボール遊び解禁に向け再試行
  4. 高齢ドライバー 死亡事故、年400件超 踏み間違いなど
  5. コンゴ 「レイプが兵器」実情知って 実録映画公開

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

[PR]