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ごみ屋敷

ごみ出し支援、利用者が急増 自治体が制度

 生活意欲の衰えなどから身の回りのことができなくなるセルフネグレクト(自己放任)や、それらに起因する「ごみ屋敷」「ごみ部屋」の問題が顕在化する中、高齢者らを対象にした自治体のごみ出し支援制度の利用者が増え続けている。埼玉県所沢市ではこの10年で取り扱いが3倍に。それでも担当者は「まだ制度の周知が徹底されず、拒否する人もいる。このままだとごみがいっぱいの家であふれかえるのではないか」と懸念する。【工藤哲】

 所沢市のごみ出し支援の担当者は昨年、80代男性の不用物の収集を受け付けた。自宅に行くと、庭先には多くのガラス板。関西地方に住む娘が立ち会い「これはいらないでしょう」と言ったが、父親は「これは使うんだ。自分の研究のために必要なんだ」とかたくなに拒んだ。娘は市の担当者に、問題が生じたら自分が責任を負うとの意向を示し、小声で「持っていってください」と頼んだという。

 同市は2005年度、ごみを集積場まで捨てに行けない高齢者らを対象にした「ふれあい収集」制度を創設。介護保険制度で要支援2以上の認定を受けた65歳以上の人や障害者らを対象として週1回、戸別収集する。ケアマネジャーを通じて申請されることが多く、初年度に173世帯だった実施数は14年度に500世帯を超え、その後も増えている。

 利用者は▽夫が亡くなり、認知症が進んでごみを捨てられなくなった80代後半の女性▽近くに住む娘からごみを捨てるよう促されたが捨てられず、娘が自分の家までごみを持ち帰って捨てていた80代後半の女性--など。8割ほどが単身者で女性がやや多いという。

 担当者は「大正生まれや90歳近い人と話すと『人には迷惑をかけられない』と、支援を受けることに消極的な人がほとんど」と明かす。「本人に強く拒まれると、行政でも介入するのは難しい。支援が行き届いていない高齢者はまだまだ潜んでいると思う。見て見ぬふりをすれば、ごみを捨てられない家はさらに増えていってしまう」と懸念した。

導入23%弱 国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センターが15年10月にまとめたアンケートによると、高齢者を対象としたごみ出し支援制度があると回答した全国の自治体は22・9%で、4分の1に満たない。一方で9割近くの自治体は「今後、ごみ出しが困難な住民が増える」と認識していた。

 調査に携わった小島英子特別研究員は「ごみ出し支援はセルフネグレクトの防止につながると考えられ、近所付き合いが希薄な都市部ではより必要になっている」と指摘している。

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