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武田 砂鉄・評『法のデザイン』水野祐・著

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創作の多様性を確保する武器として使うべき

◆『法のデザイン 創造性とイノベーションは法によって加速する』水野祐・著(フィルムアート社/税抜き2200円)

 先日、日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室での演奏からも著作権料を取る方針を明らかにすると、その強奪っぷりに反論が噴出した。ネットでは、ひたすら無音が続くジョン・ケージの楽曲「4分33秒」を俎上(そじょう)に載せ、4分33秒間何もしないでいるとJASRACから著作権料を徴収されるぞ、との皮肉が飛び交った。

 こうして私たちは、クリエイティブな姿勢を無闇(むやみ)に阻害するのが「法」であると一律に考えがちだが、著者は、法をいたずらに嫌悪して縛られるのではなく、むしろ創造性を促進するものとして法を捉える「リーガルデザイン」との思考を提唱する。

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