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愛知・弥富ロゴ

忘れないで文鳥 ブーム去り金魚だけに

弥富市の国道1号沿いに立つ「弥富特産手のり文鳥」の文字がある電話ボックス。愛好家が必ず訪れる場所だという。2017年3月14日午後3時33分、長倉正知撮影

 愛知県弥富市といえば「金魚と文鳥のまち」で、金魚は日本有数の生産量を誇り、白文鳥発祥地の碑が立つ。だが、1~2年ほど前から、市が作る市勢要覧やロゴマークなどから、文鳥だけが消えつつある。文鳥飼育農家の激減が背景にある。

     市商工観光課は「実態に合わせて消している」と説明する。昨年作った市勢要覧と観光ガイドでは、原案にあった文鳥の写真を外した。また、弥富町時代の1996年に作成された町のロゴは、金魚と文鳥を組み合わせたものだ。だが、昨年迎えた市制10周年記念ロゴは金魚だけだった。

     市内の小学生の副読本は、地場産業について2007年発行分は文鳥に3ページを割いた。次の11年発行分では1行触れただけ。その次の15年発行分からは記述がなくなった。

     この地で、文鳥の飼育は江戸時代に始まった。明治初期に突然変異で白文鳥が出現し、弥富はその特産地となった。ペットとして飼うのが子供たちの間でブームとなり、出荷のピークは1972~73年に迎えた。農家240戸で飼育箱数は3万7500あった。

     今も往時の繁栄を伝える「文鳥」が至る所に残る。国道1号に立つ公衆電話ボックス上のオブジェ。近鉄佐古木駅前の時計塔やマンホールのふたに描かれた絵。市立白鳥小学校は、白文鳥にちなんだ命名だ。

     しかし、ゲーム機の流行とともにブームは終わった。飼育農家は徐々に減り、飼育組合は2009年8月に解散した。現在の飼育農家は2戸、800箱だ。

     飼育農家の青木光俊さん(78)は、消される「文鳥」について「寂しいけれど仕方ない。現実が現実だから」と語る。夫婦で飼育しているが、いずれ廃業するという。

     服部彰文市長は「とても残念だが、現状を考えたら消さざるを得ない。後継者難はどうしようもない、寂しいですよ」と述べた。

     09年に制作された市歴史民俗資料館の文鳥PRビデオは、こう結ぶ。「忘れないでください。全国に広がった弥富の文鳥の子孫たちは、今も力強く生き続けていることを」【長倉正知】

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