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夫人付の職員 不自然なファクス送信

 首相夫人の安倍昭恵氏と学校法人「森友学園」の関係をめぐり新たな疑問が浮かんでいる。

 それは、夫人付の政府職員が籠池泰典・学園理事長あてに送っていたファクスの存在だ。籠池氏の要請を受けて財務省に問い合わせをし、返事をしていた。

 ファクスについては証人喚問で籠池氏が明らかにした。この動きを受けて菅義偉官房長官が公表した。

 森友学園は2015年当時、小学校用地の国有地を定期で借りていた。籠池氏は借り受け期間の延長ができないかと思い、昭恵氏側に連絡を取ったという。

 昭恵氏本人は回答しなかったが、同年11月に夫人付の政府職員、谷査恵子氏がファクスで返事をした。財務省の国有財産審理室長に照会した結果、籠池氏の要望には沿えないとしつつも「当方としても見守りたい」と伝える内容だった。その直前に昭恵氏は、籠池氏が建設予定だった小学校の名誉校長に就いている。

 この件について安倍晋三首相は国会で「職員が制度上、法律上の事務的な問い合わせをした。働きかけや不当な圧力ではない」「妻は土地契約に関し具体的内容は全く聞いていない」と説明した。また、土生栄二内閣審議官は財務省への「個人的な照会」だったと答弁した。

 だが、説明には疑問がある。

 昭恵氏には、首相の公務を補佐する際のサポート役として5人の政府職員が指定されている。谷氏もその一人だった。今回のような対応は本来の業務とはいえない。ファクスには内容を昭恵氏に報告したと記されている。事前に昭恵氏と相談していた可能性は否定できない。

 谷氏から籠池氏への返信には工費立て替え払いを予算計上する方針など踏み込んだ内容が記されている。財務省幹部が個別の案件で谷氏に対応したのも、首相夫人付であることに配慮したためではないか。

 首相はこれまで「私や妻が認可や払い下げに関わっていたら、首相も国会議員も辞める」と答弁している。菅氏がファクスを公表したのは「要請を拒否したのだから関与はない」と言いたかったためだろう。

 だが、菅氏の狙いとは逆に、ファクスの内容は、昭恵氏による関与への疑問をふくらませた。

 政府は森友学園との交渉記録をことごとく廃棄したと主張している。今回の対応をみるかぎり、他にも文書があるのではないか。

 昭恵氏は籠池氏の証言を受けて、100万円の寄付を否定するなどのコメントをフェイスブックに載せた。だが、内容は疑問にこたえるものではなかった。国会や記者会見での説明を改めて求めたい。

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