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危機の20年

北田暁大が聞く 第12回 ゲスト・萱野稔人さん 論壇、言論と政治(その1)

 冷戦構造、55年体制崩壊以後の政治、経済、社会と現在を北田暁大・東京大教授(社会学)が、各界の識者と議論した本連載。最終回のお相手は、萱野稔人・津田塾大教授(哲学)だ。主に、この間の論壇、言論と政治の状況について話し合った。【構成・鈴木英生。写真・猪飼健史撮影】

マルクス主義の衰退が構造への問いを弱めた

 北田 ナショナリズム批判は「68年」=注<1>=から左派の課題で、1990年代以降も、カルチュラルスタディーズ、ポストコロニアリズム=注<2>=といった学問潮流がテーマにしてきました。ですが今、ナショナリズム、排外主義的な傾向はとどまるところを知らず、批判する側にも以前の主張を忘れたかのように流れに棹(さお)さす人すらいます。

 萱野 この20年ほどの論壇は、理論への敬意が低くなったと感じます。代わりに、物事を善悪や道徳で判断…

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