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社説

非正規の公務員 「賞与」を改革の一歩に

 自治体から臨時に任用されている非正規公務員の給与の制度を見直す法案を政府が国会に提出した。非常勤の職員にも期末手当(賞与)を支給できるようにする。

     民間企業が「同一労働同一賃金」に動き出す一方で、地方公務員は正規・非正規職員の待遇格差が放置されている。格差是正を図りつつ、自治体の行政サービスのあり方を点検するきっかけとすべきだ。

     自治体から臨時に雇われる公務員は増加の一途をたどってきた。

     総務省の集計によると非正規職員は約64万人に達し、2005年時点より約19万人増えた。今や、地方公務員の約5人に1人を占める。

     職種は事務補助や保育士、図書館員など広範囲にわたる。福祉などの行政ニーズが増える中で労働力を補完してきたといえる。

     その一方で、非正規職員の待遇はほとんど顧みられてこなかった。

     臨時的な労働の対価として「報酬」が支払われ、ほとんどの自治体は正式な給料や手当を支給していない。週40時間労働のフルタイム近く働いても年収200万円程度との調査結果もあり、「官製ワーキングプア」とさえ言われる。

     任用の根拠とする法律も自治体によってはっきりしない。1年単位で任用を繰り返すため、不安定な状態に多くの職員は置かれている。

     提出された法案は非正規職員にも賞与が支給できるようにし、非正規職員を任用する根拠をおおむね統一した。さらに、フルタイムで働く人は正規職員と同様に給料や各種手当が支給されるようにした。

     非正規職員の多くは常勤職員とあまり変わらない勤務実態だけに、見直しは当然だ。フルタイム勤務でなくても正式な給料と各種手当が支給されるような制度を最終的には目指すべきだろう。

     一方で、公務員の人件費は税金でまかなわれる。それだけに、コスト意識も欠かせない。

     正規職員も含め、どこまでを行政が担うべきか改めて考えるべきだ。民間への委託や移譲も含め、全体的な業務の点検が求められる。

     格差を是正するうえでは、正規職員の給与水準が高すぎないかを見直すことも必要な観点となるだろう。

     今回の措置をめぐっては気になる点もある。人件費増加を避けるため、自治体が非正規職員の雇用を打ち切る「雇い止め」をしたり、フルタイムで働く職員をパート化したりするおそれが指摘されていることだ。

     弱い立場にある非正規職員にしわ寄せするようでは格差是正どころか、本末転倒だ。自治体は中長期的な視点から、どんな人員体制がふさわしいかを検討する必要がある。

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