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社説

核禁止条約交渉に不参加 被爆国が発信しないのか

 国連本部で始まった核兵器禁止条約の制定交渉に、日本政府が不参加を表明した。唯一の戦争被爆国として、核保有国と非核保有国の「橋渡し役」を自任してきた日本だが、その機会を自ら放棄したに等しい。

     岸田文雄外相は、不参加の理由について、米露英仏中の5核保有国が参加していないことを指摘し「核兵器国と非核兵器国の対立を一層深めるという意味で逆効果にもなりかねない」と説明した。

     日本政府は昨年10月、禁止条約の制定交渉開始を求める国連決議に反対投票をした。ただこの時、岸田氏は3月から始まる交渉には積極的に参加する考えを示していた。

     核保有国と非核保有国をめぐる対立状況は変わっていない。それなのに、日本が参加して橋渡しをすると言っていたのが、今回、両者の対立を深めるという理由で不参加を決めたのは筋が通らない。

     外相が参加の意向を明言しながら、それを翻した判断は、日本外交への信頼を損なうものだ。

     日本の不参加決定には、昨秋以降の国際情勢の変化が影響している。

     米国では昨年11月の大統領選でトランプ氏が勝利した。トランプ政権は核戦力の増強に積極姿勢を示している。北朝鮮の核・ミサイル開発が差し迫った課題となっているとき、核兵器禁止条約を制定するのは、安全保障上、現実的ではないというのが、米国など核保有国の論理だ。

     米国は、日本が交渉に参加しないよう働きかけたと言われる。

     日本政府内には「交渉に参加しても日本は反対論を主張するしかなく、消極姿勢を印象づけるだけで、意味がない」といった議論もある。あまりに受け身の発想だ。

     橋渡し役として交渉に参加するには、志を同じくする国々の輪を広げるなど環境整備が必要だった。日本政府は、そのための努力をした形跡がない。

     交渉会議は6~7月にもう一度、開かれる予定で、そこで条約案がまとまる可能性がある。

     核保有国が参加しないため条約は実効性が乏しいと言われるが、長期的には核兵器禁止の国際世論形成に大きな役割を果たす可能性がある。そのプロセスに日本が関わらず、被爆国として発信しないのは残念だ。

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