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「薬過量投与で死亡」で賠償提訴

脳腫瘍女性遺族、総額4300万円の損害賠償求める

 東京女子医科大病院(東京都新宿区)で2014年9月に抗てんかん薬を過量投与された女性が重い副作用で死亡した問題で、遺族が28日、病院の運営法人と医師2人を相手取り、総額約4300万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

     亡くなったのは川崎市の長浜裕美さん(当時43歳)。遺族側によると脳腫瘍を患う長浜さんは14年1月から同病院の処方で抗てんかん薬を服用。同8月には短期間で薬効を高めるとして、別の抗てんかん薬「ラミクタール」(一般名ラモトリギン)を追加され、添付文書で定められた量の16倍の1日200ミリグラムを連日投与された。

     薬剤師が医師に「量は正しいのか」と照会したが見直されず、全身の皮膚に障害が起こる中毒性表皮壊死(えし)症(TEN)を発症。投与開始から20日後に肺出血を併発して死亡した。遺族側は「医学的な必要性がないのに、説明もないまま添付文書に反する危険な処方をした」と訴えている。

     医療関連死の調査モデル事業としてこの件を調べた日本医療安全調査機構の報告書は、処方を「標準的な選択とは言えず、あえて選択するなら必要性やリスクを本人や家族に十分に説明して同意を得るべきだった」と指摘した。同大学広報室は「訴状を見ておらず具体的なコメントはできないが、誠意をもって対応する」としている。【伊藤直孝】

    「医師から副作用のリスクの説明はなかった」

     「医師はなぜ死ぬリスクのある処方をしたのか」。東京女子医大病院による薬の過量投与後に亡くなった長浜裕美さんの夫、明雄さん(42)は記者会見で悔しさをにじませた。

     投与開始から20日後、皮膚がはがれて妻は変わり果て、痛みと絶望の中で亡くなった。主治医は「投与量よりも体質の問題」などと説明した。だが、薬の添付文書は用法や用量を守らなければ重篤な皮膚障害が表れることがあると警告していたのを後に知った。「妻の身に起きたことがそのまま書かれていた」

     医師から副作用のリスクの説明はなかったという。第三者機関も過量投与を認めたのに、病院側は「リスクは説明した」と責任を認めなかった。明雄さんは「安易な処方が招く結果を考えてほしい。問題を繰り返させないためにも裁判で原因と責任を明らかにしたい」と強調した。【銭場裕司】

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