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「ルーズな運用」に批判…文書なし166件

衆院情報監視審査会の終了後、2016年の年次報告書を額賀福志郎会長(左)から手渡される同院の大島理森議長(中央)=国会内で2017年3月29日午前10時21分、川田雅浩撮影

 特定秘密保護法に基づく秘密指定の状況を調査する衆院の情報監視審査会(会長・額賀福志郎元財務相)が29日、年次報告書を衆院議長に提出した。昨年に続いて2回目。調査で文書が存在しない秘密の存在が次々に判明し、指摘を受けた政府は新たに9件の秘密指定を解除した。専門家は「ルーズな運用だ」と批判している。

     防衛省は2014年の特定秘密保護法施行まで「防衛秘密」だった「自衛隊防衛・警備計画」や「情勢等に関する見積もり」など5件を特定秘密に移行させていたが、文書は存在していなかった。「行政文書として保存期間を過ぎており廃棄をした。関係する職員が知識として保有しているため、特定秘密の指定としての維持をしている」。防衛省幹部は昨年11月21日の審査会でこう答弁した。

     こうした対応について、政府の情報保全諮問会議委員の清水勉弁護士は「特定秘密は文書や電子情報といった表示できるものを組織として管理するのが法の趣旨だ。頭の中の知識は原則として秘密指定の対象にならない。防衛省の説明は誤りだ。ルーズな運用で、氷山の一角かもしれない」と批判する。

     15年末時点の特定秘密は443件。政府は27万2020の文書に秘密が記録されていると説明したが、それぞれの秘密に何件の文書があるかは分かっていなかった。審査会が各省庁に提示を求めると、4割弱の166件に対応する文書がなかった。

     暗号を含む「物」の形で存在するものが91件あったが、15件は情報が将来出現する見込みで指定されており、10件は「職員の知識の中に存在する」状態だった。政府は昨年5件の秘密指定を解除したが、さらに今月までに9件を解除した。


     審査会は非公開で開かれ、所属議員には守秘義務が課されているが、行政機関が説明を渋るケースは後を絶たない。国家安全保障会議(NSC)は4大臣会合の結論を秘密指定しており、昨年10月14日の審査会で政府参考人は「安全保障政策の核心が記載されており、極めて機微」と答弁した。

     出席議員の一人は「答弁は初めから(特定秘密を)出さないと言っているに等しい」と指摘した。

     「安全保障に支障がある恐れがある」と政府が判断した場合、特定秘密の提供を拒否できるため、審査会の調査には限界がある。過去1年の調査で特定秘密の提供を受けたのは6件にとどまった。

     昨年は衆院と同じ3月30日に年次報告書を提出した参院の審査会は、2回目の年次報告書提出のめどが立っていない。【青島顕、遠藤拓】

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