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社説

駐韓大使3カ月ぶり帰任 選挙を控え妥当な判断だ

 政府は長嶺安政駐韓大使の帰任を決めた。慰安婦を象徴する少女像が韓国・釜山の日本総領事館前に建てられたことを受けて1月に帰国させていたが、きょうソウルに戻す。

     外国公館前への新たな少女像設置は、慰安婦問題を巡る一昨年の日韓合意の精神に反している。外交的な強い不快感を表明するために大使を一時帰国させた判断は理解できるものだった。

     釜山の少女像移転のめどは現在も立っていない。だが、帰国期間が長期化することによって外交的なデメリットが大きくなっていた。

     韓国では来月9日に大統領選が行われる。大使不在では次期政権との人脈作りも進まない。

     大統領選は、世論調査の支持率1位である最大野党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)前代表と、急速に支持を伸ばしている第2野党「国民の党」の安哲秀(アンチョルス)前共同代表による事実上の一騎打ちとなる可能性が高い。

     2人とも日本との接点をほとんど持たず、慰安婦問題を巡る日韓合意を批判している。ただ、繰り上げ選挙で日程の余裕がないこともあって公約発表はこれからだ。

     次期政権の政策作りに携わるブレーンたちに日本の考えを丁寧に説明する必要がある。肩書をとりわけ重視する韓国社会においては、その際に大使の存在が大きな意味を持つ。

     安全保障上の観点からも、いざという時に韓国政府との窓口となる駐韓大使の不在は望ましくない。

     北朝鮮は、今週後半の米中首脳会談に合わせて核実験などの挑発行為をする恐れがある。日韓関係の悪化は、北朝鮮につけ入るすきを与えるだけだ。

     韓国政府も何もしていないわけではない。2月には釜山の自治体に少女像移転を要請し、合意を守る考えを明確に示した。

     以上のことを踏まえれば、やや遅きに失したとはいえ、ここで大使を帰任させる判断は妥当であろう。

     慰安婦問題を巡る日韓合意の重要性は変わらない。

     大使帰任を発表した岸田文雄外相が強調したように国際社会との約束であり、日韓両国は合意を守る責任を共有している。誠実な合意履行のために、日韓は協力していかなければならない。

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