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社説

沈黙続ける昭恵氏 首相夫人の役割を明確に

 大阪市の学校法人「森友学園」の国有地取得問題に関する国会の真相解明が止まっている。

     同学園の籠池泰典前理事長の証人喚問で、他の関係者の国会招致が一段と必要になったにもかかわらず、与党が拒否しているからだ。中でも与党が譲らないのは、安倍晋三首相の妻昭恵氏の証人喚問のようだ。

     だが昭恵氏に対する疑問は学園側に100万円寄付したかどうかだけではない。昭恵氏付の政府職員が問題の土地に関して財務省に問い合わせていたことも明らかになった。

     これを「職員の個人的な照会」という政府の説明には無理がある。やはり「首相夫人の行動」の解明抜きには前に進まない。

     昭恵氏の立場について政府は「首相夫人は公務員の発令を要さず、公人ではない。首相の公務を私人として補助している」と説明している。

     しかし昭恵氏の活動は歴代の首相夫人と比べて大きく広がっている。各地での講演やイベント参加のほか、諸団体が昭恵氏にさまざまな形で協力を求める例も多いという。

     昭恵氏に5人もの政府職員がサポート役として指定されているのは、活動の拡大に対応するためだろう。ところが、その活動に公私の区別がきちんとついているとは言い難い。

     昭恵氏が気安く応じてくれるという面もあるようだ。ただし要請する側が最も期待するのは首相夫人としての影響力の大きさではないか。

     特に力が大きいのは官僚に対してだろう。各府省の幹部人事は今、首相官邸が内閣人事局を通じて決める仕組みになっている。安倍政権はこれを最大限利用し、各府省ににらみを利かせていると言っていい。

     人事を握られた官僚が、従来以上に首相の考えに従わざるを得なくなっているのは確かだ。そんな中、官僚が「昭恵氏の意向は首相の意向」と見なして配慮するのは当然かもしれない。「森友問題」は、この「安倍1強」状況の中で起きたことを忘れてはならない。

     昭恵氏が自らの力の大きさを自覚しているようには見えない。フェイスブックにコメントを載せただけで沈黙を続ける昭恵氏だが、重ねて国会や記者会見での説明を求める。

     同時に政府はこの際、首相夫人の役割をもっと明確にすべきだろう。

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