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社説

日本の人口、50年後は8800万人 質量共に対策が足りない

 日本の人口は2065年に8808万人になる。国立社会保障・人口問題研究所が公表した将来推計によると、50年間で人口3割減というかつてない急坂を下ることになる。

     安倍政権は「50年後も人口1億人を維持」を目標に、非正規雇用の改善、待機児童解消などに取り組んでいる。出生率だけ見ると5年前に公表された推計値より若干改善したが、長期的には焼け石に水だ。

     特に深刻なのは、現役世代(15~64歳)が4割も減ることである。支え手が先細りすると年金や医療制度が危うくなり、経済にも大きな影響をもたらすことが危惧される。

     8800万人というのは1950年代と同じ水準だ。当時は現役世代10人以上が高齢者1人を支えていた。農業や自営業もまだ多く、多世代が同居して育児や介護を家族内で担っていた。老後の生活保障(年金)も要らなかった。

     ところが、2065年には現役世代1・3人が高齢者1人を支える「肩車型」になる。独居の高齢者も大幅に増え、年金や介護サービスが今以上に必要になる。それを急減する現役世代が担うのである。

     何をおいても、少子化対策にもっと力を入れなければならない。

     生涯未婚の人は急速に増えていく見通しだ。結婚や出産をしたくても経済的に苦しくてあきらめている人は多い。子育てや子供の教育にかかる負担の軽減は最重要課題だ。

     政府は「働き方改革」に取り組んでいるが、非正規雇用の待遇改善に向けた政策はまだまだ足りない。現役世代に重点を置いた社会保障への大転換が求められる。

     人口減少社会への備えも同時に進めなければならない。

     高齢になっても心身ともに健康な人は増えている。「高齢者」は65歳以上を指すが、65歳を過ぎても働ける人や経済的に余裕のある人は「支える側」に回ってもらうべきだろう。年齢で一律に区切るのではなく、必要性に応じた社会保障制度にするための改革が重要だ。

     働き手不足への対策としては、女性が出産後も安心して働き続けられる職場環境の整備、男性の育児参加をもっと進めるべきである。外国人労働者の受け入れについても本格的な検討が必要だろう。

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