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社説

出足鈍いガスの自由化 競争を広げる工夫が要る

 都市ガスの小売りが、今月から全面自由化された。競争原理の導入で価格抑制やサービス向上を目指す。

     もっとも、1年前の電力小売り全面自由化に比べるとガス小売りへの新規参入の出足は鈍く、消費者の関心も高まっていない。自由化の恩恵を広げるため、競争促進に一段と知恵を絞る必要がある。

     都市ガスの小売りは従来、各社が限られた地域を独占してきた。1995年以降、段階的に自由化され、今回は残されていた約2600万世帯が対象になる。

     しかし、家庭用への参入は今のところ、関西、中部、九州など一部の大手電力会社やプロパンガス会社に限られている。

     そのため、自由化1週間前時点での新規参入会社への切り替え申し込みは約9万件にとどまった。電力自由化の時は約38万件だったから、低調だと言わざるを得ない。

     しかも、事前申し込みの8割近くは関西電力が積極攻勢に出ている近畿地区に集中した。準備不足の東京電力グループが7月に参入する関東では、約3000件にとどまるなど地域的な偏りが大きい。

     確かに異業種からの参入には壁が高いことは否めない。原料の液化天然ガス(LNG)は、火力発電用に大量輸入している大手電力以外では調達が難しい。

     さらに、ガスという商品の特性上、安全確保が大前提になるため保安体制の整備も必要になる。

     もともと都市ガスの販売区域は、ガス管の制約があるため、国土の6%程度にしか及んでいない。このままでは、恩恵を受ける消費者はごく一部に限られ、自由化の意義さえ問われかねない。

     より幅広く、活発な競争が起きる環境を整えるべきだ。まず、新電力を含めた電力会社の積極参入を促す必要がある。電気とガスのセット販売やポイント付与などを組み合わせ、ガス会社と競い合えば消費者へのサービス向上につながる。

     そのためには、電力会社が都市ガスを安価に調達できる卸市場のような仕組みが求められる。

     一般的に都市ガスはプロパンガスより割安であるため、販売エリアが広がれば消費者の利益になる。ガス管網の拡充も課題になるだろう。

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