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北朝鮮情勢と日本の対応 米国の圧力を外交力に

 トランプ米政権が原子力空母「カール・ビンソン」を朝鮮半島近海に派遣した。軍事的圧力を強めることで、核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮に警告する狙いがある。

     化学兵器使用の阻止などを理由とするシリアへの攻撃に続く米軍の行動である。「対話と圧力」を基本方針とする日本政府は、米国の抑止力強化は重要だと評価した。

     空母急派は、北朝鮮の出方を見極めると同時に北朝鮮に影響力を持つ中国に対応を迫る思惑もあろう。日本政府はこれを外交的解決につなげるテコとして利用すべきだ。

     トランプ大統領は核開発凍結を含む1994年の枠組み合意以降の対北朝鮮政策を誤りだったと指摘し、軍事介入を含む「すべての選択肢」を検討していると表明している。

     今回はその強い意思を行動で示したということだろう。米国の安全保障にとって二十数年前と違うのは、米本土に到達可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発が進んでいる点だ。北朝鮮の脅威レベルは格段に上がっており、警戒感は強い。

     先の習近平・中国国家主席との会談では核開発が「深刻な段階に達した」との認識を共有したにとどまった。トランプ氏は中国が協力しない場合は米国独自の行動をとる考えを示していた。急派はその直後に行われただけに、中国に行動を促すメッセージとも受け取れる。

     安倍晋三首相はシリア攻撃を受けて「米国政府の決意を支持する」と表明した。日本政府内には米軍のシリア攻撃が中国や北朝鮮への警告になるとの見方がある。

     しかし、朝鮮半島の緊張が過度に高まれば日本が直面する危険は大きくなる。米朝の軍事衝突など不測の事態が起これば日本や韓国への被害は免れない。

     北朝鮮の対応は不透明だ。トランプ政権は対話再開の条件に「すべての実験の停止」を主張しているが、北朝鮮は空母急派について「無謀な侵略策動」と反発している。

     北朝鮮の核廃絶に取り組むには、日米韓中露と北朝鮮の6カ国協議再開に向けた環境整備が必要だ。安倍首相はトランプ氏と緊密に意思疎通している。日本はこのパイプを生かし、圧力とのバランスを取りつつ対話への道筋を率先して描くべきだ。

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