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原発避難児童らへのいじめ 大人の無理解の反映だ

 大人社会の避難者への無理解が、いじめの背景にないだろうか。

     文部科学省は、東京電力福島第1原発事故で福島県から県内外に避難した児童・生徒に対するいじめの件数が、3月までに199件あったと発表した。このうち、東日本大震災や原発事故に起因するいじめは13件とした。

     昨年11月、福島県から横浜市に避難した当時中学1年の男子生徒が「ばい菌」と呼ばれ、多額の金銭を要求されたいじめが発覚したことをきっかけにした初の全国調査だ。福島県から県内外に避難している小中高校生ら約1万2000人を対象に聞き取りで実施した。

     いじめ問題は潜在化しやすい。特に避難家族にも影響を及ぼしかねない「原発いじめ」など、いじめられている子が学校での調査に、正直に答えぬことも容易に想像できる。優しい子ほどそうだろう。

     今回も、転入した小学校時代のいじめを、保護者にも教員にも伝えていなかった例があった。調査の数字はほんの一部のケースだろう。文科省も「すべての状況が網羅されているとは限らない」とし、引き続き通報や相談を呼び掛けている。

     教員によって、いじめに対する見方には差があるだろうから、見つけ方にも工夫が必要になる。今回はいずれも学校が対応した後に登校などできるようになっているという。子供の様子を注意深く見て、被害を受けている子に寄り添い、いじめた子に適切な指導をすることが大切だ。

     調査では「福島へ帰れ」「放射能がうつるから来ないで」などと、心ない言葉のいじめも明らかになった。他者を思う気持ちが欠けた言葉が出てくる背景には何があるのか。

     いじめは子供社会の中だけに原因があるのではない。放射線への理解不足や賠償金に対するねたみといった、周囲の大人の避難者への誤解や思いやりのなさが原因と言える。

     松野博一文科相は調査結果を受けて、保護者らに「避難者への誤解や放射線に関する理解不足からくる大人の配慮に欠ける言動があるとも考えられる」との見方を示した。

     子供は大人をよく見ている。私たち大人の「ざらついた心」が、いじめを誘発することをもっと意識しなければならない。

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