風呂おけを使った「桶カーリング」や「桶タワー積み」--。「風呂の日」の2月26日、大阪市住吉区の「朝日温泉」で、銭湯にちなんだユニークな“運動会”がありました。その名も「冬季オフロンピック2017」。風呂場などに参加者の笑い声がこだましました。
昨年夏に続く2回目で、37人が16チームに分かれて五つの競技を楽しみました。「桶カーリング」は、底にキャスターを付けた風呂おけをデッキブラシで押して的の中心を狙います。「桶タワー積み」は、湯を入れた風呂おけを湯船の縁に積み上げて高さを競います。ほかにも「洗面、つけ面、僕イケ面ゲーム」など、ネーミングから遊び心にあふれた楽しい競技ばかりです。
仕掛け人は同温泉3代目の田丸正高さん(35)。両親から「銭湯は先が無い」と言われて工務店勤めを選びましたが、23歳の時、父親と銭湯を切り盛りしていた母、二三江さん(当時55歳)が病気で死亡。店をたたむ話も出ましたが、「朝日温泉をなくすわけにはいかない」と決断し、2007年に1億3000万円をかけて全面改装して経営を引き継ぎました。
黒字にするには1日100人以上の客が必要でしたが、当時の客は1日70人ほど。若い客を増やそうと、子ども向けに駄菓子を置いたり、ライブ「音楽銭湯」や幽霊屋敷「朝日ゆ~れい温泉」などのイベントを積極的に開きました。
「銭湯の数が減っていく中、もっと銭湯の面白さ、魅力を知ってもらいたい」と、こうした取り組みの目的を話す正高さん。「全国の銭湯でオフロンピックを行い、銭湯の活性化につなげること」が目標といいます。【小関勉、写真も】