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トルコの憲法改正承認 大統領の独裁を懸念する

 地理的にも文化的にも「欧州とアジアの懸け橋」と言われてきたトルコの政治体制が大きく変わる。

     議院内閣制と首相職を廃止して大統領が国家元首と行政の長を兼ね、国会の解散や非常事態を宣言する権限も与えられる。司法への人事権も強化される。

     16日の国民投票で承認された憲法改正案の主な内容である。

     注目すべきは大統領の任期だ。改正案でも任期は最長で2期10年だが、旧憲法下での任期を含める必要はない。だから2014年から大統領を務めるエルドアン氏は19年の大統領選で当選すると、29年まで大統領職にとどまることが可能になる。

     その場合、公正発展党(AKP)を支持基盤として03年に首相に就任した同氏は26年も最高権力者として君臨することになる。同氏は建国の父ムスタファ・ケマルにも匹敵する権力を握るかもしれない。

     だが、疑問を禁じえない。大統領制への移行は自由だが、トルコの場合は権力者が政治生命を延ばそうとして憲法に手を付けた印象がぬぐえない。エルドアン氏には後継者を育てて権力を譲る道もあったはずだ。

     トルコは北大西洋条約機構(NATO)の一員であり欧州連合(EU)への加盟を望む。イスラム圏でいち早く政教分離を果たした国でもあり、欧米の仲間入りをめざす開明的なベクトルがある。

     だが、イスラム重視で強権的なエルドアン氏に権力が集まれば国内の対立がさらに激化し、過激派組織「イスラム国」(IS)やシリア内戦への対応にも重大な支障が出かねない。そんな不安を覚える。

     トルコで昨年クーデター未遂が起きてからエルドアン政権は4万人以上を逮捕し、これまでに閉鎖されたメディアは160社に上るという。

     ISなどのテロに苦しむトルコの事情は分かる。だが、政治権力を乱用し、法の支配や言論の自由を軽んじれば、結局は国際的な理解も支援も得られまい。

     賛成と反対が伯仲した国民投票についてエルドアン氏は独裁への懸念を見て取るべきだ。野党は選挙不正を叫んで票の数え直しを求めている。エルドアン氏は反対派の声にも耳を傾け、強権ではなく対話によって国内安定を図ってほしい。

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