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97小選挙区の区割りが変更 有権者への周知徹底を

 大幅な区割り変更に驚いた人は多いだろう。政府の衆院議員選挙区画定審議会が、衆院小選挙区の区割り改定案を安倍晋三首相に勧告した。

     見直されたのは定数を減らす6県を含む19都道府県で、変更は97選挙区に及ぶ。とりわけ東京都をはじめ、区や市が分割される選挙区が大きく増えたのが目を引く。

     行政区分と小選挙区とで区域が異なることに戸惑う有権者も多いはずだ。だが民意の反映が厳密に求められる衆院選で、「1票の格差」を2倍未満にするためにはやむを得ない措置だ。むしろ、今後大切なのは有権者への周知徹底である。

     2014年の前回衆院選で生じた「1票の格差」に対し最高裁は「違憲状態」と判断した。今回の改定は、これを受けて昨年、小選挙区の「0増6減」を盛り込んだ選挙制度改革関連法が成立したことに伴う。

     忘れてならないのは、与党は関連法の議論の際に、議席配分に人口比をより反映させる仕組みとして衆院議長の諮問機関が答申したアダムズ方式の導入を先送りしたことだ。

     民進党は直ちにこの方式を採用して「7増13減」する案を提案したが、自民党は定数増減の影響を受ける現職議員を少なくしたいとの事情から反対し、「0増6減」となった。

     関係者によれば、東京都などの場合、定数を増やさない条件の下での是正にはおのずと限界があり、分割区が増えざるを得なかったという。

     アダムズ方式を用いれば大都市圏は定数が増え、分割が解消される選挙区も出てくる可能性がある。同方式は20年の国勢調査に基づいて導入することになっているが、さらなる先送りはしてはならないと改めて注文しておきたい。

     政府は区割り改定法案の今国会成立を目指すという。成立後、有権者のために1カ月程度の周知期間が必要とされ、新区割りが適用可能になるのは、今夏以降になる見通しだ。

     抜本是正には程遠いとはいえ、自民党は相当数の候補者調整が必要となる。このため党内には「区割り改定で首相の衆院解散権は縛られない」と、現行のままで解散・総選挙を行うよう期待する声があった。

     しかし新たな区割りが出た以上、もはやそれは許されない。政府も区割りの広報に重きを置くべきだ。

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