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社説 仏新大統領にマクロン氏 欧州結束に引き戻せるか

 フランス大統領選は決選投票で、欧州連合(EU)の統合推進を掲げた中道・独立系のマクロン前経済相が勝利した。仏史上最も若い39歳の大統領となる。

     反EUを訴えた極右・国民戦線のルペン氏は敗れた。

     得票率で約66%対約34%の大差がついた。親EU派の勝利に、ドイツのメルケル首相やEU首脳陣は歓迎の声を上げている。

     マクロン氏の勝因は保革2大既成政党が低迷する中、「右でも左でもない」道を掲げ、若さと新しさを前面に押し出したことだろう。

     草の根の市民運動「前進」を率い、有権者からの聞き取り調査をもとに支持層を広げた。経済立て直しのため規制緩和を説く一方、弱者に配慮した政策も掲げ、既成の左右にとらわれない道を示した。

     またグローバリズムを支持し、開かれたフランスを主張した。英国の離脱で動揺するEUは、ひとまず欧州分裂の危機を回避したといえる。

     とはいえルペン氏は、国民戦線としては史上最多の1000万票以上を獲得した。白票などを除く投票の3分の1が反グローバリズム、保護主義、反移民の主張に賛同したことを深刻に受け止めるべきだろう。

     フランスはEU統合を主導しつつグローバリズムの進展により国内で格差が広がった。恩恵を受けられなかった失業者、労働者らが既成政治やエリート、移民への不満を持つ。

     排外主義的な主張を基軸とする国民戦線とルペン氏は、そうした不満をすくい上げて伸長してきた。

     欧州では昨年12月のオーストリア大統領選で極右政党の候補が接戦で敗れた。今年3月のオランダ下院選で極右政党が第2党に進出した。極右台頭の懸念は消えない。

     マクロン氏は議会での基盤がほとんどない。6月に実施される国民議会(下院)選で、与党勢力をどれだけ集められるかが焦点となる。既成政党と組むことになれば、新しい政治を求める国民の反感を買うことになりかねない。

     EU統合策が国民に広く恩恵をもたらすことを、マクロン氏は改めて示さねばならない。分裂・分断した社会の修復にも努めねばならない。

     国民の融和と欧州の結束を実現できるか、政治手腕が問われる。

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