メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

「コックスを解任した場合…

 「コックスを解任した場合、私はかなりの反発を受けるだろうと予測してはいたが、実際に起きた反発の激しさには驚いた。……私は事件の疑惑がいかに深く全国民の心の中に広がっているかを思い知らされた」▲回顧録にこう記すのはニクソン元米大統領。事件は1970年代のウォーターゲート事件で、コックスは事件の特別検察官だった人物だ。司法長官らの辞任ももたらした検察官解任は「大統領の犯罪」への追及本格化の潮目となった▲「土曜の夜の虐殺」と呼ばれたこの解任劇だが、米メディアではしきりに今回と引き比べられた。トランプ政権によるコミー連邦捜査局(FBI)長官の突然の解任である。こちらは大統領選でのロシアとの癒着疑惑を捜査中だった▲何しろ出張先のロサンゼルスで、現地職員に訓示中にテレビの報道で自らの解任を知ったコミー氏である。テレビ番組でのトランプ氏の解雇の決めゼリフ「お前はクビだ!(You’re fired!)」そのままの放り出されようだった▲解任理由は10カ月前のクリントン氏のメール疑惑での発表が不適切だったというのだから、「はあ?」と首をかしげたくなる。だが解任を進言した司法長官がロシア疑惑で偽証が取りざたされた人物と聞けば「はあ」と納得がいこう▲対立するメディアはもちろん与野党有力議員が捜査への干渉だと批判したのも当然である。隠すほどにあらわになる疑惑のここが潮目となるのか。後世のトランプ氏の解雇録、いや回顧録をのぞきたい。

    おすすめ記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 「児童が危険と…」 小学校前の通学路に白色スプレーで“停止線” 福岡の校長を書類送検
    2. 大阪・御堂筋で事故 軽ワゴン車横転、歩道に乗り上げ 繁華街が一時騒然
    3. 台湾東岸・花蓮でM6.1地震 震源の深さ18キロ
    4. 首相側近・萩生田氏、増税先送り可能性に言及 与党にも波紋「何を勝手に言っているんだ」
    5. 電柱ワイヤ激突 バイク男性、上半身切断 山陽電鉄線路に

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです