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DeNA

休止のキュレーション事業 営業損失28億円

DeNAの南場智子会長(左)と守安功社長=東京都渋谷区で2017年5月11日、岡礼子撮影

 IT大手ディー・エヌ・エー(DeNA)が11日発表した2017年3月期連結決算は売上高1438億円(前期比0.1%増)、最終(当期)利益は、前期から2.7倍の308億円に増えた。ずさんな運営が批判され、昨年12月から公開を停止しているキュレーション(まとめサイト)事業は28億円の営業損失だった。

 キュレーション事業の再開か撤退を決めなければ、今後も赤字は続く。だが、守安功社長は、この日もファッション情報サイト「MERY(メリー)」など、公開が中止されている10サイトの取り扱いやキュレーション事業の見通しについて明らかにしなかった。

 「(赤字が続く今のまま)長引くのも問題があるが、あれだけの事態を引き起こしたのだから、自信を持てないと再開は難しい」。この日、東京都渋谷区のDeNA本社で開かれた決算会見で、出席者から事業の今後を問われた守安社長は「めどはまだ言えない」と述べるにとどめた。南場智子会長も「時間をかけて取り組む」と明言した。

10サイトの公開中止続く

 DeNAは16年夏ごろから、医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」など、一般の人や同社側が依頼したライターがネット上の情報をまとめたコンテンツを掲載する「キュレーションサイト」に、著作権法上問題のあるコンテンツや、医学的根拠が不明確な記事を載せたことが問題となった。同グループが運営する10サイトの公開を現在も中止している。

 17年3月、第三者委員会が、サイトに掲載された記事の中で最大5.6%、写真計74万件に著作権侵害の疑いがあるとする報告書をまとめたが、著作権侵害について、DeNAは「侵害の有無については自社で判断できない」として、個別に問い合わせた人に経緯を説明し、場合によって「迷惑料」を支払っているという。「迷惑料」の金額や算定基準については「個別ケースで異なる」として明らかにしていない。

無断使用「迷惑料」 1件1000円

 ただ、毎日新聞の取材では、DeNAの対応は、必ずしも記事や写真を無断で使われた人が満足する条件にはなっていない。化粧品ブログを運営する東京都の会社員の女性(33)は、写真33件が無断でMERYのサイトで使われ、DeNA側から「1件あたり1000円の迷惑料を支払う」と言われたという。一方的な額の提示に納得がいかず、化粧品会社のPR記事を有料で書いていると伝えたところ、「記事の原稿料」を証明できる資料の提出を求められた。提出すると「7万円」に増額された。女性は「金額の多寡より、謝罪の姿勢が感じられず、納得できない」と話す。

キーマンは新任メディア統轄部長の江端浩人氏

 一方で、新しいメディア事業を視野に入れた動きは進んでいる。DeNAは「キュレーション事業について厳しく検証、検討するため」として4月、国内ではデジタルマーケティングの第一人者とされる江端浩人氏を、キュレーション事業などメディア部門を統轄する「メディア統括部長」に迎えた。江端氏は、アイ・エム・ジェイの元執行役員。日本コカ・コーラ、日本マイクロソフトでマーケティング部門を担った。

 江端氏は3月、DeNAに入社。メディア統轄部長のほか、4月1日付で、DeNAがキュレーション事業拡大のため買収したペロリ▽iemo(イエモ)、FindTravel(ファインド・トラベル)の3子会社の社長も兼務する。休止中のキュレーション事業を立て直して存続させるかどうかを判断する役割を担っている。

 さらに、DeNAは4月には小学館とデジタルメディア事業について検討する基本合意を結んだ。「小学館の力を借り、編集体制や記事の作成方法など、デジタルメディアのあり方を研究する」とDeNAは説明。小学館側も「正確な記事を作成するノウハウを提供できる。DeNAからはインターネットサービスを成長させる手法を得られるのではないか」(デジタル事業局)としている。この担当者も江端氏だ。

MERYは再開できるのか

 現在、DeNAのキュレーション事業は組織とインフラはあるが、サイトが稼働していないため収入がない。このままでは費用だけがかさむことになる。

 業界では、DeNAのキュレーション事業の柱だった「MERY」が再開されるかどうかに関心が集まっている。

 MERYは、14年にDeNAが35億円で買収した「ペロリ」が運営。第三者委員会の報告書によると、「記事量産によるアクセス増」を目指したウェルクとは運営手法が違い、自サイトの固定ユーザーのファン層を増やそうとする志向を持っていた。

 一方で、他サイトの写真を自サーバーに保存して表示するなど、著作権法上、DeNAの他サイトに比べ、問題をはらんでいた。再開するのであれば、過去の違反案件についての適切な処理と、今後こうした違反が起きないようにする仕組みが必要になる。【岡礼子】

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