メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

五輪仮設費を都が全額負担 政治決着に疑問が残る

 一歩前進ではあるが、割り切れなさが残る決着だ。

     2020年東京五輪・パラリンピックで、東京都外の7道県4政令市で実施する競技会場の仮設整備費約500億円は都が全額負担することになった。小池百合子知事が安倍晋三首相に直接、判断を伝えた。

     仮設施設の整備費は資材高騰などで膨らんだ。大会組織委員会の負担分を除く2000億円のうち、都外分を巡り都と関係自治体の対立が先鋭化していた。都は費用分担の大枠を当初は3月末に示すはずだった。

     仮設費用は大会組織委員会が全額負担し、不足分を都が補填(ほてん)するというのがそもそもの原則だった。

     競技施設を新設するコストを考えれば、都外開催は都の負担軽減でもある。開催まであと3年に迫り、この問題が準備事業全体を停滞させていた。原則に沿った都の決断にはやむを得なかった面もある。

     とはいえ、サッカー競技が予定される札幌ドームの仮設費用まで都が全額負担することに、都民には割り切れぬ思いもあるだろう。

     都外の自治体側も地域活性化のプラス面を考慮すれば、相応に歩み寄り、負担を分担してもよかったのではないか。

     今回は神奈川、千葉、埼玉の3県知事が首相や菅義偉官房長官に負担反対を直訴し、その直後に小池知事が全額負担を決めた。

     小池知事は築地市場の豊洲移転問題の判断も迫られている。7月の東京都議選を控えて、結論をこれ以上先送りしづらいという事情が働いての政治決着ではないか。

     今回の問題で際だったのは、都や都外自治体、組織委が責任を押しつけ合う調整役不在の構図である。

     仮設費は道筋がついたが、さらなる懸案は大会運営費の分担である。

     総額8200億円の半分は組織委が負うが、残りの4100億円の分担が決まっていない。

     五輪開催の「ホストシティー」との理由だけで、国やほかの自治体が都に負担を押しつける構図を繰り返すべきではあるまい。

     開催総額の圧縮努力を進めながら、運営費の分担スキームの策定を急がねばならない。今回も丸川珠代五輪担当相の影は薄かった。今度こそ調整の前面に立ってほしい。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 河野外相 北朝鮮との「断交」要求 米講演で各国に
    2. 高校野球 広陵・中村 清宮に対抗心「むかつくというか、いいライバル」(スポニチ)
    3. 世界の雑記帳 「世界一強烈な」コーヒーにボツリヌス菌混入の恐れ、米で製品回収
    4. 元SMAP 3人の新ファンサイト「感謝の気持ち優先」
    5. 北朝鮮 正恩氏「超強硬対応」 太平洋で水爆実験を示唆

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

    [PR]