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余録

「今日の天皇制は大衆君主制へと転進しながら…

 「今日の天皇制は大衆君主制へと転進しながら、『大衆』の歓呼のなかから新しいエネルギーを吸収しつつある」。今の天皇、皇后両陛下の婚約に日本中がわいた当時、政治学者の松下圭一(まつしたけいいち)は論文にそう記した▲戦争の記憶が天皇制への複雑な思いをわだかまらせていた時代、論文「大衆天皇制論」は、一般市民との恋による皇太子妃選びで盛り上がったブームは新憲法ブームなのだと説いた。戦前の神権天皇論の力を奪った人々の歓呼だった▲この大衆デモクラシーを栄養源とする現代君主制は「幸福な家庭」のシンボルになるとも論文は見通した。その両陛下の孫の初めての婚約となる。秋篠宮(あきしののみや)ご夫妻の長女、眞子(まこ)さまが大学の同級生と婚約にむけ準備を進めているという▲お相手は法律事務所勤務のかたわら大学院で経営法務を学ぶ小室圭(こむろけい)さんという。まだ正式の婚約発表前とあって小室さん当人は「話は改めて」とくり返したが、メディアが婚約までの物語の取材に熱を入れるのも58年前と変わらない▲だが祝福の歓呼のかたわら、皇族の減少への対策が差し迫っているのも浮き彫りにされた。あすは天皇の退位の特例法案が国会に提出されるが、皇位の継承に関する付帯決議で女性宮家の創設を求める声が高まるのも成り行きだろう▲象徴天皇のつとめの継承も、戦後社会が理想とする家庭による皇統存続も、長いこと課題は見過ごされてきた。そして今、眞子さまの幸せを祝って歓呼する主権者にかかる戦後象徴天皇制の未来である。

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