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社説 学部新設で「総理の意向」 事実関係の解明が必要だ

 これまでの説明との整合性が問われるのではないか。

     理事長が安倍晋三首相と親交のある学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が、国家戦略特区に獣医学部を新設する計画にからんで、安倍首相の「意向」などが記された文書が残されていた。

     大幅な規制緩和で経済活性化を目指すのが同特区だ。

     担当する内閣府からの伝達事項として、文部科学省に文書があり、学部の早期設置に関して「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと記されている。

     政府は昨年11月、獣医学部の新設を決めた。1校だけ認めるとし、今年1月の公募で、愛媛県今治市に新設を計画する同学園だけが手を挙げた。用地は今治市の無償譲渡だ。

     同学園は、来年4月の開校に向けて準備を進めており、現在、文科省の審議会が認可を検討中だ。

     これまで野党は国会で「加計学園が利益を受けている」などと追及してきた。だが、首相は「(同学園から)相談や圧力が働いたということは一切ない」と否定していた。

     今回の文書は、これにまつわる両府省のやりとりとされる。松野博一文科相は調査するという。菅義偉官房長官は「首相から一切指示はない」と否定している。

     政府は、今回の文書の存在について確認をすべきだ。いきさつや背景も調査して、明らかにすべきだ。特区を巡って内閣府と官邸、および文科省の3者でどのようなやりとりがあったのかが、問題の核心だ。

     文書によれば、文科省は学園の準備状況から、早期開設が難しいという認識も示している。

     同学園が新設を急いでいる中での安倍首相の「意向」なのかどうか。

     もし内閣府の働きかけが、安倍首相の指示ではなくても、理事長と首相の関係から「そんたく」したのではないかと疑われかねない。しっかりした説明が求められる。

     「森友学園」の問題では、首相の妻の関与が焦点となっている。「総理のご意向」という官庁の文書の文言は、よりいっそう不可解な印象を与える。

     政策決定の過程を巡る事実関係の解明が最優先だ。

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