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社説

大規模サイバー攻撃 安全策の徹底迫る警鐘だ

 コンピューターウイルスの破壊力を見せつける出来事だった。先週末から世界で被害をもたらした大規模サイバー攻撃である。

     影響は終息しつつあるようだが、警戒を緩めてはならない。むしろ、新たな攻撃への危機意識を高め、備えを万全にする必要がある。

     米マイクロソフト社の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」の古いバージョンで見つかった欠陥が攻撃の標的になった。ウイルスに感染すると、コンピューター内の情報が暗号化されて使えなくなり、復元に金銭を要求される。

     たちまち約150カ国に被害が拡大する異例の事態となった。英国の多くの病院やスペインの大手電話会社も含まれる。ただ、警察や専門家は、はるかに深刻なサイバー攻撃があり得るとして、企業経営者らに対策を呼びかけている。

     対策といっても、日常の基本動作が中心だ。ソフトの更新を怠らず、データは必ずバックアップを作成。欠陥への修正ソフトが配布されたら速やかに適用し、不審な添付ファイルは開かない--などである。

     今回は、マイクロソフトが3月に修正ソフトを配布していたにもかかわらず、被害が続出した。予防策が迅速に実行されるにはどうしたらよいか、知恵を絞る必要がある。

     日本国内の被害は18日現在で20件あまりと欧州に比べて限定的なようだ。しかしその結果、危機感が募らないというのでは困る。政府や企業は、今回の出来事を貴重な警鐘と受け止め、安全策を強化してほしい。

     被害を拡散させた原因が、米国家安全保障局(NSA)から流出した攻撃目的のソフトウエアである可能性にも注目したい。

     NSAはウィンドウズの欠陥を発見しながら、即座にマイクロソフト社へ通告するのではなく、自ら欠陥を突くサイバー兵器を開発した、と非難されている。

     テロ対策という言い分もあるかもしれない。しかし、国家がサイバー兵器の「軍拡」を競えば、兵器がハッカーの手に渡り、最終的に私たち一般市民の日常や安全が脅かされる危険も高まる。

     サイバー兵器の管理や制限などについて、国際的な議論を活発化させる契機とすべきだ。

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