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トランプ政権のロシア疑惑 特別検察官は徹底捜査を

 米トランプ政権とロシアの不透明な関係を調べるため、米司法省はモラー元連邦捜査局(FBI)長官を特別検察官に任命した。米国の民主主義は健在と感じさせる、きわめて妥当な措置である。

     疑惑は昨年の大統領選挙期間中からくすぶっていた。サイバー攻撃などで選挙介入を図ったとされるロシアとトランプ陣営の関係者が癒着していたのではないかとの疑いだ。

     疑惑を捜査していたFBIに対し、トランプ大統領は今月、コミー長官を解任した。捜査をやめさせる政治的圧力との見方がもっぱらだ。

     しかも、次々に浮かぶ疑惑についてトランプ政権の説明ははっきりしない。特別検察官の設置に消極的だった与党共和党も、もはや設置に反対しきれないと判断したのだろう。

     解明すべき問題は多い。米メディアによれば、ロシア当局者との不適切な接触で更迭されたフリン前大統領補佐官について、トランプ氏はコミー氏に捜査終結を求め、機密情報を報じた記者は投獄すべきだとも主張したという。

     また、過激派組織「イスラム国」(IS)について、同盟国イスラエルが慎重な扱いを求めていた機密情報をロシアに渡した疑いもある。

     無論、司法省幹部が言うように、特別検察官の設置は国民の関心に応えるもので、犯罪や不当行為が確認されたわけではない。

     だが、トランプ氏は反省すべきである。不都合な報道をするメディアを「フェイク(偽)ニュース」と決め付け、自らの説明責任を真剣に果たそうとしない同氏自身が特別検察官の設置を招いたといえるからだ。

     トランプ氏は大統領選での得票や就任演説の聴衆の数についても強硬に異を唱え、「代替的事実(オルトファクト)」という奇妙な言葉が米国から世界に広まった。強弁すれば客観的事実も変えられるという危険な思い込みがトランプ氏にはあるようだが、捜査当局には通用しまい。

     特別検察官のモラー氏は2001年から13年までFBI長官を務め、捜査経験が豊富だ。今回の事件は、ニクソン大統領の辞任につながったウォーターゲート事件を意識してロシアゲートと呼ばれる。広がりを見せる特異な事件に、客観的で冷静なメスが入ることを期待したい。

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