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再思三省

第50回 将棋と相撲は近い?

「再思三省(さいしさんせい)」とは何度も考え、何度も自らを省みること。実際に紙面に登場した事例などをひきながら、月1回、三つずつのテーマで気をつけたい事柄をつづっています。なお、この中には必ずしも一般的に間違いとはいえないものもあります。読者への配慮や紙面上の統一などの点から決めているものは、理由とともに示しています。

    将棋差しとは言いません

    (将棋の)差し手→指し手

     20代対決の名人戦、中学生プロの藤井聡太四段の活躍など話題の多い将棋界。駒を動かす手順のことは「指し手」と言いますが、地域面を中心に「差し手」とする記事が散見されます。相撲で相手の脇に差し入れる「差し手」の方がメジャーなのでしょうか。ちなみに新聞の将棋欄でも「差し手争い」という文言が出てくることはありますが、これは相撲になぞらえた比喩なので問題ありません。

    当てるのは弾丸

     照準を当てる→照準を合わせる

     何かに狙いをつけるという表現。毎日新聞用語集では「照準を合わせる」を使うこととしていますが、「照明を当てる」「焦点を当てる」などと混合したものか、しばしば「当てる」と書かれます。「照準器」とすればまず思い浮かぶのは狙撃手のライフルについているスコープ。円の中の十字線、その中心を目標物に定める様子を想像すれば、「合わせる」がぴったりと思えるのでは。この場合、当てるのは弾丸です。

    「くも膜化」は見ませんが

     急性硬膜化血腫→急性硬膜下血腫

     「硬膜」は頭蓋骨(ずがいこつ)の中で脳を覆う硬い膜。その下(内側)で出血し、血の塊ができるのが硬膜下血腫です。「くも膜下出血」と近接した部位で起きますが、「くも膜化」は見かけません。「動脈硬化」のように患部が硬くなる病気にひっぱられるせいでしょうか。水ぶくれの「水疱(すいほう)←×水泡」のように、病名や症状を表す語には、日常的でない用字や言葉遣いも少なくありません。どうか慎重にご確認を。

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