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南スーダン・ウガンダ国境

「運命の橋」救い求め

ウガンダとの国境にかかる橋を渡る南スーダンから逃れてきた人々=ウガンダ北西部ブシアで5月19日、小泉大士撮影

 近く陸上自衛隊の部隊が国連平和維持活動(PKO)から完全に引き揚げる南スーダンでは、陸自部隊が駐留する首都ジュバの外に出ると今も政府軍と反政府勢力の戦闘が続き、一般住民が激しい暴力の犠牲となっている。国境を接するウガンダには約90万人の難民が押し寄せ、増え続ける一方だ。「市民を殺しているのは政府軍の兵士だ」。内戦を逃れてきた人々は口々にそう証言した。【ブシア(ウガンダ北西部)で小泉大士】

自衛隊、近く完全撤収

 国境沿いに細い川が流れる。幅約4メートル。木製の粗末な橋が架かる。対岸の南スーダンにはライフル銃を持った反政府勢力の兵士の姿が見える。頭にマットレスを載せ、生後5カ月の娘を背負った女性、ライダ・ダワさん(30)が戦争と平和を分かつ「運命の橋」を歩いて渡ってきた。「やっと銃声を気にせずに眠れる」。恐怖から解放され、汗まみれの顔がほころんだ。

 人々は約60キロ離れた南スーダン南部イエイ周辺から逃れてきている。政府軍と反政府勢力の衝突で治安が悪化。連日約400~600人がこの橋を越える。

 日本政府は陸自部隊の南スーダン撤収決定に当たり、南スーダン政府が民族融和への「国民対話」を進める意思があると評価した。だが、国境を越えてきた人たちによると、最大民族ディンカ人主体の政府軍やディンカの民兵が「反政府勢力を支援している」と決めつけて他の民族を襲撃している。

 スコパス・グヤさん(70)は義母(75)を自転車の荷台に乗せ、妻(38)、娘(4)と共に橋にたどり着いた。「政府軍兵士は一軒ずつ家を捜索し、住民を見つけると銃を乱射した。家畜などを奪い家に火を付けた。女性は子どもや年寄りでさえレイプされる」。村は廃虚と化したという。

 政府側は「市民への攻撃はしていない」と基本的に否定するが、国連は19日発表の報告書で政府側が昨年7月~今年1月、イエイで少なくとも市民114人を殺害したと指摘し、「戦争犯罪に匹敵する残虐行為」と非難した。

 内戦と吹き荒れる暴力が悪化の一途をたどっているが、日本政府は「国造りプロセスが新たな段階に入りつつある」との認識だ。

 【ことば】ディンカ人

 南スーダンの人口のうち約36%(米中央情報局資料、2011年)を占める最大民族。ディンカ人のキール大統領の下、政権を主導している。キール氏と、2番目に多いヌエル人(人口の約16%)のマシャール前第1副大統領の対立が内戦に発展し、民族間の衝突が激化。最近では政府への反発から「ディンカ人対他民族」の対立構図も生まれている。

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