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 脚(きゃく)注(ちゅう)とは本などの本文の下の方にある注釈や補足説明で、英語ではフットノートという。もののたとえとしては、本体に対して付随的、副次的なものを表すことがある▲英国の科学哲学者ホワイトヘッドは「西欧のすべての哲学はプラトンの哲学への脚注にすぎない」という意味のことを言っている。プラトンの偉大さを表す脚注だが、一方で世の中には本文には書かない真意を注釈に記すこともある▲合意文書などに目立たぬ注釈などのかたちで忍び込ませ、合意全体を骨抜きにする条項を「ジョーカー」と呼ぶ。ではこの脚注はあくまで付随的、副次的エピソードにすぎぬのか。それとも合意を台無しにするジョーカーになるのか▲トランプ米大統領のパリ協定離脱表明後、初めて顔を合わせた主要7カ国(G7)環境相会合は脚注に米国の独自方針を記した異例の共同声明を採択した。声明本文では米を除く6カ国が協定の下での温暖化対策推進をうたっている▲脚注では米国が「強い経済と健全な環境の両立」を掲げて温室効果ガス排出規制を独自に行う方針を示している。パリ協定をめぐる溝ははっきりしたが、米国が温暖化対策から完全に手を引かないよう配慮した結果の脚注方式だろう▲温室効果ガスの最大排出国の中国がパリ協定順守を表明するなか、世界は米国抜きで新たな文明史的連帯を固めていくのか。あるいは各国の協調の乱れで温暖化対策が迷路に入り込むのか。将来書かれる世界史の本文を変えかねない脚注の今後だ。

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