メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

「ソリテス・パラドックス」という逆説がある…

 「ソリテス・パラドックス」という逆説がある。ソリテスは「積み上げられた物の」という意味だが、日本では「砂山のパラドックス」ということが多い。砂山はその砂を1粒取っても、砂山なのは変わらない▲さらに1粒、また1粒取っても砂山だが、いつか最後の1粒になっても砂山かといえばもちろん違う。では何粒以上が砂山だと決めようにも線引きができない。砂山という言葉のあいまいさと連続的な変化の間に生まれる逆説である▲「組織的犯罪集団」と「一般人」とは縁遠く聞こえる。だがこれも砂山と同じく線引きできないあいまいな言葉だと明らかにしたこの間の国会論戦だった。共謀罪あらためテロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案の審議のことだ▲政府答弁の示すところ、一般人は捜査対象でないとの説明は当局が捜査対象にしない人は一般人だというのにすぎぬようだ。法相が捜査対象に新たに組織的犯罪集団の「周辺者」を持ち出すはめになったのも境界のあいまいさからだ▲審議を通じて国際条約締結に不可欠という説明にすら疑義が生じたこの法案だった。なのに摘出された疑問はすべて放置したまま、参院委採決を省略しての本会議での採決だという。審議は形だけの儀式かと慨嘆(がいたん)する方も多いだろう▲異例の国会運営の背景には加計(かけ)問題追及の舞台となる会期の延長を避けたい政権与党の思惑があるという。国会が政府の専横を抑止する民主主義の砂山からごっそりと砂の固まりを取り去っていくのは誰か。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 新宿・歌舞伎町のビルで発砲 男性が死亡 容疑者は逃走
    2. 小室圭さん、母の元婚約者男性との「金銭問題は解決済み」と公表へ
    3. パワハラで課長を停職3カ月 被害の部下3カ月休職 埼玉・嵐山町
    4. 防衛省 にじみ出る不快感 レーダー照射問題
    5. 世界経済・見て歩き 仏・フラン ルノー工場 ゴーン流、うんざり トイレは2回、過酷さに悲鳴

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです