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余録

登竜門とは立身出世のための狭き門のことだ…

 登竜門とは立身出世のための狭き門のことだ。黄河の急流、竜門を跳び越えたコイは竜になるという中国古代の伝説が基になっている。伝説の背景には水面を跳ねるコイの習性がある▲中国原産のコイ科のハクレンは戦時中、利根川に放流され、定着した。産卵場所がある埼玉県久喜市では6月から7月にかけて体長1メートル前後のハクレンが次々にジャンプする光景が見られる▲日本では生態系への影響は軽微とされるが、米国ではジャンプする新顔の魚に懸念が高まっている。1970年代に養殖池の水質改善のために導入されたハクレンなど中国原産の「アジアン・カープ」が洪水などでミシシッピ川に流入し、増殖しているのだ▲コイ科の魚は生命力が強い。米国では食用の習慣もないため、元々いた魚を駆逐し、生態系を崩している。五大湖に流入すれば、壊滅的な打撃になると対策が進められている▲外来生物への対応は世界共通の課題だ。日本でもブラックバスやカミツキガメなどが問題視されてきたが、今度はヒアリだ。中国から神戸に着いた貨物船で見つかった。南米原産で30年代に米国南部に移入し、生息地域を広げた。21世紀になって台湾や中国南部でも繁殖が確認された▲刺されればやけどのような痛みを感じ、死亡例もある。洪水時には集団でいかだのように水面を漂うというからコイに劣らず生命力が強い。学名には「無敵」の意味もある。定着されては大変だ。どう水際で阻止するか。手ごわい新顔の登場に心したい。

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