食品についた細菌が眠るため
Q なぜ食品を冷凍すると、保存が利くの?(神奈川県鎌倉市、小4)
A 三菱電機住環境研究開発センター(神奈川県鎌倉市)で冷蔵庫の研究開発をしている研究員の添田舞子さん(36)と松本真理子さん(49)に教えてもらいました。
家庭用冷凍庫の温度は氷点下18度ぐらいに設定されています。この温度だと、食品についた細菌が眠った状態になるので、食品が腐らず、長く保存することができるようになるのです。温度変化のない業務用冷凍庫の場合、1年以上保存が利くものもありますが、常に扉を開け閉めし、温度が変化する家庭用冷凍庫の場合は、食品の品質が変わりやすく、保存期間は約1か月が目安になります。
冷凍する際、一手間をかけるだけで、食品をおいしく長持ちさせることができます。冷凍したい食品はラップで包んだりジッパー付き保存袋に入れ、空気を押し出しながら薄く、平たい形にして密閉し、できるだけ速く凍らせましょう。すき間があると、食品から水分が出て霜がつき、食品が乾燥して風味が落ちてしまいます。また、ご飯はアツアツのままラップをし、一気に冷凍させると、ご飯のモチモチ感を保つことができます。
食品によっては、下ごしらえをしてから冷凍すると、おいしく保存ができ、料理の時間を短くすることもできます。ホウレンソウなどの青菜や根菜類などの野菜はゆでてから冷凍すると、色が変わったりしません。肉や魚はトレーから外し、小分けにして冷凍しておくと、調理するときに楽になります。一方、レタスなどの生野菜やこんにゃく、豆腐は冷凍すると食感が変わるため、冷凍向きではありません。
冷凍した食品を安全においしく食べるためには、適切な方法で解凍することが重要です。冷凍した食品を常温で解凍すると、食品の内部からドリップと呼ばれる水分が出てきてしまいます。このドリップは、食品のうまみ成分も含んでおり、菌の格好の繁殖場所となってしまいます。そのため、食品を解凍する時は、冷蔵庫内に入れたり、氷水につけたりし、低温でゆっくり解凍するのがオススメです。【長尾真希子】