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VXの女たち・正男暗殺

/10 両親思い「ただ祈りを」

シティ・アイシャの母ベナは「娘は無実だと確信している」と話した=インドネシア・バンテン州で2017年2月、ジャカルタ支局助手エドナ・タリガン撮影

 シティ・アイシャ(25)の実家はジャカルタの西約80キロののどかな農村にある。

     「実の妹のように親しくしてくれた」

     小学校の後輩、ヌルハヤティ・ヌフス(23)はそう振り返る。当時、アイシャは自宅の掃除や食器洗いなどの家事を進んで手伝う子で、1日5回のイスラム教の礼拝も欠かさなかった。「おとなしい性格で、けんかしたり人前で怒ったりしたのを見たことがない」という。

     アイシャには2人の兄がいる。中学校には進学しなかったが、インドネシアの農村では今でも珍しいことではない。仕事を得て家を出てからは、母ベナ(50)に2カ月に1回程度、20万ルピア(約1700円)を小遣いとして送金していた。

     ベナや義姉のマラ(25)はアイシャと時折、スマートフォンでビデオ通話もしていた。「日本のテレビに雇われて、いたずら番組に出演している」「ただ、番組プロデューサーは完成したビデオを見せてくれない」。画面の向こうで包み隠さず話すアイシャの姿を、2人はまったく不審に思わなかった。

     金正男(キムジョンナム)殺害容疑で逮捕されたアイシャ。殺人罪で有罪になれば死刑判決が下る可能性もある。アイシャは接見に訪れたインドネシア外務省職員に「こんな状況で家族は面会に来ないほうがいい」と両親を気遣った。その代わり、家族にはこう要望している。「ただ祈りをささげてほしい」(敬称・呼称略)=つづく

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