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余録

「朝起き福の神」…

 「朝起き福の神」。めでたい文句だが、魚河岸の仲卸などで使われていた符(ふ)丁(ちょう)で「あさおきふくのかみ」の9文字で1~9の数を表す。つまり「お」は3、「の」は7で、部外者に分からぬよう用いたそうだ▲約50年前に刊行された「魚河岸百年」は、店ごとに決めていた符丁をいくつも紹介している。「たからぶねいりこむ(宝船入り込む)」「いつまでもかわらず(いつまでも変わらず)」。縁起のよい言葉に込めた魚河岸の願いである▲さて築地市場の豊洲移転問題では「よろしかるべきこと(よろしかるべき事)」をめぐって市場関係者の意見が割れた。議会各派の主張も分かれ、東京都民、いや全国民が注目するところとなった小池百合子(こいけゆりこ)都知事の「決断」である▲「築地を守り、豊洲を生かす」。その都知事の説明は何とも分かりにくいものだった。豊洲への移転を行った上で、築地にも市場機能を残して5年後に再開発するという。豊洲も新たにITを活用した物流拠点へと再整備する構想だ▲そういえばアウフヘーベン(止揚(しよう))という難しい哲学用語で市場移転問題を語っていた都知事だった。なるほどこの言葉を用いた哲学者のヘーゲルが「あれもこれも」の哲学だという批判を受けていた理由が今になってよく分かった▲国政への影響も大きそうな23日からの都議選だが、都民が審判を下すには、もっと説明のほしい都知事の市場移転構想である。それは魚河岸の願い「あきないのしやわせ(商いの幸せ)」をもたらせるのか。

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