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社説

強毒「ヒアリ」を国内初確認 全国で水際対策の強化を

 強い毒を持つ南米原産のアリ「ヒアリ」が国内で初確認された。

     中国・広州市から兵庫県の神戸港に貨物船で運ばれたコンテナの内部と、コンテナが置かれていた神戸港のコンテナヤードで見つかった。

     いずれも駆除され、人的被害も出ていない。ただ、駆除前に周囲に逃げ出した可能性は残る。ヒアリの国内定着を防ぐには、周辺地域を長期的に監視するとともに、全国で水際対策を強化する必要がある。

     ヒアリは赤茶色の小型のアリで、体長2・5~6ミリ。刺されると、やけどのような激しい痛みを感じる。アレルギー性ショック症状を起こすこともあり、米国では死亡例が報告されている。家畜被害もある。

     誤って刺された時はしばらく安静にし、容体が急変するようなら直ちに治療が必要だ。怪しいアリを見つけても、手を触れてはいけない。

     以前から日本への侵入が懸念されており、環境省は外来生物法に基づく「特定外来生物」に指定して警戒してきた。その一環として、全国20余りの主要な港や空港の周辺で年に1度、ヒアリなどがいないかどうかを目視で確認してきた。

     ただ、こうした対応で十分だったのか疑問は残る。ヒアリが日本に運ばれてきた経緯を調べ、水際対策の問題点を洗い出してもらいたい。

     ヒアリは、都市公園や住宅街の空き地など人間の生活圏に入り込む。台湾やマレーシア、中国南部など環太平洋諸国に分布を拡大中で、国際自然保護連合(IUCN)の世界の侵略的外来種ワースト100にもなった悪性度の高い外来種だ。

     環境省や神戸市は、捕獲用の粘着トラップや殺虫剤を発見場所周辺に置いた。専門家は、年単位で監視を続けないと、定着を防げたかどうか判定できないという。

     現代は、人や物が国境をまたいで大量に移動する時代だ。同様の事態がいつ、どこで起きてもおかしくない。神戸港ではその後、特定外来生物のアカカミアリも見つかった。

     1995年に初確認された毒グモの「セアカゴケグモ」が全国に広がったように、外来種の侵入を許すと根絶は困難だ。行政による監視には限界もある。私たち一人一人が足元の自然や環境に注意を払い、異変を捉えることも重要となるだろう。

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