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社説

日本の子どもの貧困率 深刻な状況は変わらない

 子どもの貧困はまったく楽観できる状況にない。

     厚生労働省が発表した国民生活基礎調査によると、2015年時点の子どもの貧困率は13・9%で、前回調査(12年)より2・4ポイント低下した。政府は「雇用の改善や賃金の上昇が加速しているため」と経済政策の効果を強調する。

     しかし、子どもの7人に1人がまだ貧困状態にあり、高止まりしているのが実情だ。ひとり親世帯の貧困率は相変わらず5割を超える。先進国は2割未満の国が多く、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中では依然として最低水準にある。

     貧困世帯への経済的な支援とともに、子ども自身への教育や生活支援を含めた総合的な対策が必要だ。

     子どもの貧困率とは、世帯1人あたりの手取り収入を順に並べ、真ん中となる人の金額(15年は245万円)の半分(貧困線)に満たない世帯で暮らす子どもの割合だ。

     今回の調査では、貧困線に近い低所得層の収入が減っており、景気や雇用状況が少し変わるだけで大幅に貧困率が悪化する恐れがある。

     特に母子家庭は所得200万円以下の世帯が4割近くを占める。非正規雇用で仕事を掛け持ちしている母親は多く、所得は増えても子どもの養育にかける時間が減っている人もいる。食生活が貧しく、風呂に入らない、歯磨きをしないといった子どもは、勉強にもついていけず、不登校やひきこもりにつながりやすい。

     親の所得が少し増えただけでは、子どもの貧困状態を解消することはできないのだ。

     厚労省が貧困率を初めて公表したのは09年、子どもの貧困対策法が成立したのは13年のことだ。昨年には児童扶養手当を増額したが、対象は2人目以降の子で金額も数千円程度にとどまっている。まだ対策は緒に就いたばかりである。

     今年度から給付型奨学金も一部導入されたが、大学卒業後も長年にわたって奨学金の返済に追われている若者の苦境に比べれば、効果はあまりにも限定的だ。

     必要な財源を確保し、福祉や教育、雇用など多角的な政策の展開が必要だろう。政府を中心に国民全体で日本の子どもの貧困を直視しなければならない。

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