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社説

九州の記録的な豪雨 避難態勢の点検が必要だ

 九州北部地方が記録的な大雨に見舞われている。河川の氾濫や土砂崩れにより、多くの死者や安否不明者が出た。冠水や流木で各地の道路が寸断され、孤立状態の中で助けを待っている人も少なくない。

     政府は関係閣僚会議で、警察や自衛隊などによる救助部隊を1万2000人態勢に拡大した。まずは救助を急ぎたい。

     冠水のため、長期間の避難生活を多くの住民が強いられそうだ。政府や自治体は、きめ細かな支援を継続する必要がある。

     線状降水帯と呼ばれる積乱雲の連なりが上空に居座ったことで、大雨につながった。福岡県朝倉市では7月の月間平均の1・5倍もの雨量を短時間で記録した。

     こうした局地的な豪雨は予測が難しい。気象庁が福岡県と大分県に「数十年に1度の重大な災害」に当たる大雨特別警報を出した時は、大雨のピークが過ぎていた。判断は適切だったのか。検証が必要だろう。

     被害が大きかった朝倉市や大分県日田市では、特別警報が出る前に住民に避難指示を出すなど、早めの対応が取られた。

     それでも人的被害を防げなかった。この地域では、5年前の7月にも死者30人を出す集中豪雨に襲われた。その時の教訓は今回、生かされたのだろうか。

     高齢者ら要援護者を迅速に避難させられたかどうかも大切な点だ。

     昨年8月に東北地方を襲った台風で、洪水から逃げ遅れた岩手県岩泉町のグループホームの9人が亡くなった。それを機に、内閣府は避難勧告のガイドラインを見直し、避難準備情報を出すのと同時に、高齢者に避難を始めるよう促す運用に改めた。また、施設と行政の間で、災害時の連絡体制を事前に決めておくことにした。

     こうした仕組みが機能したのかも、点検しておきたい。

     短時間の集中豪雨による土砂災害や河川の氾濫が近年、毎年のように発生している。一昨年、鬼怒川が氾濫したように、東日本を含め全国どこでも起こりうる。

     どう命を守るのか。一人一人が住んでいる地域の危険度を知り、避難の方法を事前に考えておくことだ。自主的な備えも欠かせない。

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