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余録

1902年秋、米ミシシッピ州の湿地帯で…

 1902年秋、米ミシシッピ州の湿地帯で狩りをしていたセオドア・ルーズベルト大統領の従者が子グマを追い詰めた。従者が仕留めるよう促したが、「スポーツマン精神にもとる」と大統領は発砲を拒んだ▲この場面がマンガ入りで紹介されると国中の新聞の1面を飾り、子グマは国民的キャラクターになった。やがて大統領のあだ名「テディ」を冠したテディベアのぬいぐるみが作られ、大人気を博した▲その24年後のことである。英国の児童文学者ミルンは息子が持っていたテディベアのぬいぐるみに着想を得て、児童小説「クマのプーさん」を発表する。後にディズニーのアニメとなるプーさんだが、実は米国への里帰りなのだった▲テディベアと違い、こちらの権力者はクマと関連づけられるのを好まないようだ。かねて体形をプーさんと比べられてきた習近平(しゅうきんぺい)氏を最高指導者にいただく中国で、プーさんに関連した投稿や画像がネットから削除されているという▲共産党大会を前に指導者の威厳を損なう書き込みや画像を当局が検閲しているらしい。好感度の高いプーさんのようなキャラでも許さないのが小役人の発想だ。体形ゆえか、性格ゆえか、検閲はドラえもんのジャイアンにまで及んだ▲権力者と動物といえば、旧ソ連のこんなアネクドート(風刺小話)も思い出す。集団農場を視察したフルシチョフの写真説明--「豚と書記長(右から2番目)」。どんな抑圧下であれ権力者の威厳など一瞬で吹き飛ばす民の目と口である。

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