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社説

日銀が6度目の目標先送り 終わりなき暴走が心配だ

 これほどやっても効果が出ない政策を、いつまで続けるのか。

     日銀が、目標とする「物価上昇率2%」の達成予想時期を、再び先送りした。もう6度目だ。今回は、4月時の見通しより1年遅い「2019年度ごろ」になるという。

     日銀が13年4月に異次元緩和を導入した時の約束は、「2年程度で2%を達成する」というものだった。しかし、大量の国債などを日銀が買う異例の政策を始めて4年以上が経過した今も、物価上昇率は、0・5%以下にとどまっている。

     記者会見した黒田東彦総裁は、景気が回復しても物価が上がらない状況が「ずっと続くことはない」と述べたが、最新見通しの「19年度ごろ」が再度、先送りになることも否定できない。実際、政策委員会のメンバー9人中8人が、現時点での物価見通しより、実際は低くなる可能性があると見ている。

     目標と実際の物価上昇率のズレが続くことは、他の中央銀行も経験している。日銀の問題は、副作用の強い劇薬のような政策を、物価上昇率の2%超えが持続するまで続けると宣言していることだ。

     長期化するほど弊害も大きくなる。大量の国債を買い続けた結果、日銀が保有する国債は、発行残高の4割を突破した。日銀は株式を組み込んだ投資信託も買っているが、その結果、日銀が大株主となる企業は増える一方だ。

     市場での存在感が増すほど、方向転換の時が来ても、悪影響を恐れて動けなくなる。

     別の心配もある。2人の政策委員が今回の金融政策決定会合を最後に任期満了で交代し、9人全員が安倍晋三政権下での任命という陣容になる。マイナス金利政策や積極的な金融緩和路線に異議を唱えてきた2人が去り、ますます緩和一辺倒となりはしないか。

     多様な主張がぶつかり合う意思決定機関は、一方向に暴走するリスクが抑えられる。反対に、「右へ倣え」のような同一意見の組織は、大きく間違う恐れがある。政治的圧力にも、もろいだろう。

     大規模緩和を収束する道筋が見えず、政策委員会メンバーの均一化が一段と進みそうな日銀に、不安を抱かずにはいられない。

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