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社説

トランプ米大統領の半年 独善と強弁はたくさんだ

 この半年の混迷を思うと、残りの3年半が途方もなく長く感じられる。1月20日の就任以来、トランプ米大統領の成果や成功の兆しはあまりに乏しかった。そもそも何をしたいのかが見えてこない。

 日本に身近なところでは、朝鮮半島周辺に空母を派遣して北朝鮮に圧力をかけた。が、すぐに撤収させてからほぼ静観しているのは、総合的な戦略を欠くからだろう。

 南シナ海では米艦による「航行の自由」作戦を実施したが、中国の軍事拠点化に強いブレーキがかかったとは思えず、北朝鮮問題も含めた米中協力の行方も不透明だ。

 米露関係も停滞を続け、期待された米露協調のシリア和平や過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討にも明るい展望は開けていない。

 東アジアも中東も依然として不安定なままだ。

 内政面では、メキシコ国境沿いの壁の建設と医療保険制度改革(オバマケア)の廃止が重要公約だが、壁は予算のめどが立たない。オバマケアの撤廃は大量の無保険者を生む恐れがあり、来年の中間選挙をにらんで与党・共和党も慎重な態度だ。

 結局、公約が実現したのは環太平洋パートナーシップ協定(TPP)や温暖化対策の「パリ協定」からの離脱くらいで、トランプ氏の大衆迎合的な政策は、おしなべて破綻か大幅修正を余儀なくされている。

 懸念された通りの結果になったのである。もはや「オルトファクト(代替的事実)」などの怪しげな弁明をろうさず、都合の悪い現実も受け入れて軌道修正を図るべきだ。

 ツイッターでメディアを「フェイク(偽)ニュース」と非難し、CNNを殴り倒す映像を投稿しても現実は変わらない。大統領の信じ難い愚行を米国史に刻むだけだ。

 政権内には不協和音もある。メディアと渡り合ったスパイサー報道官は人事への不満から辞任を表明した。ロシア疑惑をめぐる特別検察官の捜査も政権に重くのしかかる。このままでは政権が求心力を失い、ジリ貧の道をたどるかもしれない。

 だが、米政権の命運は世界に大きな影響を与える。超大国としての責任もあろう。トランプ氏が独善や強弁を改めて国際社会と協調することが、ますます必要になっている。

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