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ニホンウナギの危機 流通経路の透明性確保を

 日本人が最もウナギを食べる時期を迎えた。かば焼き用のニホンウナギの価格は昨年より安いという。

     養殖用の稚魚(シラスウナギ)の漁獲が安定していたためだが、長期的には、稚魚の漁獲量は減少傾向にある。国際自然保護連合が絶滅危惧種に指定した2014年と比べ、資源量が回復したとは言い難い。

     ニホンウナギの減少は、過剰な消費や河川など生息環境の変化が原因とされる。南太平洋から東アジア沿岸にやってくる回遊魚で、ウナギ食を続けていくには、国際協調で資源管理に取り組む必要がある。

     ウナギの消費大国である日本は、その先頭に立たなければならない。ところが、国内ではいまだに稚魚の密漁など違法な取引が横行している。ウナギ業界全体の信頼にかかわる問題で、流通経路の透明性確保は、喫緊の課題だ。

     稚魚の漁獲には都道府県知事の許可がいる。漁獲者は漁獲量を知事に報告する。水産庁によれば、16年に国内の養殖池に入れられた稚魚は19・7トン。輸入量を引いた13・6トンが国内産と推定されるが、知事への報告量は7・7トンしかなかった。

     差し引き5・9トンは、密漁や漁獲量の過少報告など違法な行為を経て流通していると考えられる。

     稚魚の捕獲実態が不透明なままでは、科学的な資源管理などできない。行政や関係業界は連携し、稚魚の捕獲から養殖、販売に至る経路を追跡可能な体制を整えるべきだ。

     ニホンウナギの主要養殖地である日本、中国、韓国、台湾の4カ国・地域は、15年から養殖池に入れる稚魚の量に上限を設けている。ウナギの消費を抑え、資源の回復を図るためだ。しかし、各国が実際に使った稚魚の量の合計は毎年、上限枠の5割程度にとどまる。上限が緩いと、資源の回復にはつながらない。

     しかも、取り組みは紳士協定で、法的拘束力はない。日本は、上限の引き下げや協定の条約化を、粘り強く働きかけていくべきだ。

     流通経路の透明性確保や国際協調体制の強化が進めば、ウナギの持続可能な利用に関する消費者の理解も深まる。さもなくば、ワシントン条約に基づく国際取引の規制対象となる可能性が高まり、日本の伝統的な食文化の維持も危うくなる。

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