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社説

「核のごみ」マップ公表 市民が関心を持つ契機に

 原発で核燃料を燃やした後に出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)をどこに最終処分するか。

     安全性の観点から日本全国を4色に色分けした「科学的特性マップ」を経済産業省が公表した。

     この地図で適性が高くても、土地利用の状況など社会的要因を加味すると不適格という場所もある。確定的なものでないことは十分な説明がいるが、国民が関心を示さなければ意味のない地図に終わってしまう。

     原発政策を進めてきた日本には、すでに核のごみが大量にある。原発への賛否によらず最終処分は必要であり、国民の幅広い理解が欠かせない。この地図を多くの人に興味を持ってもらうきっかけとしたい。

     日本は2000年以降、自治体に手を挙げてもらう方式で処分場選定を進めようとしてきた。しかし進展はなく、福島第1原発の事故を経て国が打診もできるよう変更した。

     特性マップはその第一歩で、火山や活断層、遠い将来に掘り起こされる恐れのある油田や炭田などのある地域を避けた上で、輸送の利便性が高い沿岸部を最も好ましい場所と位置づけている。

     経産省や処分の実施主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)は、窓口を設け人々の質問に答えるという。ぜひ、透明性のあるわかりやすい説明を心がけてほしい。

     適性が低いと判断された地域の人も日本全体の課題として関心を持ち続けてもらいたい。

     処分場選定を進めるには、政府や事業主体への信頼が欠かせない。

     福島の原発事故で安全神話が崩れ、処分場政策にも不信感を抱く人たちは少なからずいる。地震・火山国で未知の断層も抱える日本に不安材料があるのも確かだ。

     そうした懸念にも納得のいく説明を重ね、新たな知見に応じた計画の見直しも怠らないでほしい。

     マップを示したからといって急に国民の合意形成が進むわけではない。一定の期間、地上で「暫定保管」することも選択肢の一つだろう。その検討も進める必要がある。

     核のごみの総量を一定に抑えることは処分場選定を前進させる重要な要素だ。再稼働を進めれば核のごみは増え続ける。そのマイナスも考慮に入れ原発政策を考えるべきだ。

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