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社説

判断分かれた朝鮮学校 支援優先すべきは機会均等だ

 朝鮮学校を高校授業料無償化の対象から外した国の処分を巡り、正反対の司法判断が示された。

     広島地裁は北朝鮮を支持する在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)との関係を重視し、適法と判断した。それに対し、大阪地裁は「外交・政治的意見に基づく判断」と指摘、国の裁量権逸脱による違法を認定した。

     無償化の適否を判断する基準は「法令に基づく適正な運営」が確保されているか否かだ。

     広島地裁は、別の民事訴訟判決を根拠に「朝鮮総連の指導で資産が流用された過去がある」と指摘した。また、民事訴訟の判決後も朝鮮総連の支配に関して変更があったという報道が見当たらないとして、影響力が継続していると認定した。その結果、「適正な運営」の確証がないとした国の主張を容認した。

     一方、大阪地裁は「適正な運営」の判断は財務状況などから客観的に判断すべきだと指摘。その上で原告の学校法人大阪朝鮮学園が私立学校法に基づく財務諸表を作成し、大阪府から行政処分を受けたことがないことなどから適正さを認定した。

     国は公安調査庁の報告や産経新聞報道などを基に「朝鮮総連の不当な支配で、支援金流用の懸念がある」と主張した。しかし判決は合理的根拠の立証がないとして退けた。

     教育内容に関しても、北朝鮮を賛美する内容があることは認めたものの、補助教材を使って多様な見方を教えていることなどを挙げ、「自主性を失っているとは認められない」と結論付けた。

     朝鮮学校の前身は終戦直後、在日朝鮮人の子供に朝鮮語を教えるため各地に設立した「国語講習所」だ。朝鮮語で授業を行うが、数学などは学習指導要領に沿っている。

     今では日本で生まれ育った在日4世らが通い、多くの日本の大学は卒業生に受験資格を認めている。

     そうした歴史的な事情や現実を踏まえれば、無償化制度の適用による学びの機会均等は確保すべきだ。その意味で大阪地裁の判決は妥当と考える。国は支援金の支給について再検討する必要がある。

     朝鮮総連との関係や教育内容について正すのであれば、学校に対する指導で対応すべきだ。制約を生徒に押しつけるべきではあるまい。

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