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社説

北朝鮮ミサイルと国連 ロシアの妨害が目に余る

 北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験に対し国連安全保障理事会の対応がもたついている。

     1カ月前に続き、先月末には2回目の発射実験が強行された。

     この間、安保理は法的拘束力のない報道声明すら出せなかった。常任理事国のロシアと中国が北朝鮮への圧力強化に反対してきたからだ。

     中国の責任は重いが、国際社会の求めに応じ、北朝鮮からの石炭輸入を止めるなど一定の圧力をかけてきた。それが不十分なのは、北朝鮮が動揺すれば自国の安全保障に直結するという危機感もあるのだろう。

     それ以上に看過できないのがロシアの振る舞いだ。

     中国は、7月の安保理議長国という立場から衝突の矢面に立つことを避けてきた。その中国に代わって決議採択の足を引っ張ってきたのがロシアである。

     ロシアは中国ほど北朝鮮との利害関係は強くない。むしろこれを奇貨として、米露関係の駆け引きに北朝鮮を使っているように見える。

     その理屈はこうだ。

     北朝鮮のミサイルはICBMではなく、中距離弾道ミサイルで深刻な脅威には当たらない。米国は北朝鮮の脅威を口実に、世界的なミサイル防衛網を構築し、ロシアの核戦力を無力化しようとしている--。

     これは国際協調を妨害するための詭弁(きべん)だ。ミサイルの種別にかかわらず、北朝鮮による発射実験自体が明白な安保理決議違反である。

     貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」による北朝鮮との定期航路を開設したのも、国際社会の北朝鮮包囲網に逆行する。

     中露が主張する北朝鮮との対話も確かに重要だが、これまで20年以上世界を欺いて核・ミサイル開発を進めてきたのが北朝鮮だ。これを黙認して対話に臨むことはできない。

     日本はロシアに北朝鮮の脅威の深刻さを重ねて訴え、もっと強く協力を働きかけるべきだ。

     安倍晋三首相は、他国の首脳としては最多の18回もプーチン露大統領と会談を重ね、信頼関係を積み上げてきたはずだ。河野太郎新外相の祖父・河野一郎は、1956年の日ソ国交回復に尽力した。北朝鮮を除く日米韓中露の5カ国協議を呼びかけるのも一案ではないか。2人にはぜひ指導力を発揮してほしい。

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