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名作の現場

第29回 林芙美子『浮雲』 案内人・島田雅彦(その2止)

仏印から東京へ引き揚げてきたゆき子は品川で下車した。<ホームは薄汚れた人間でごった返している>。現在の夜のJR品川駅前=東京都港区で、佐々木順一撮影

 ゆき子は富岡の煮え切らなさや浮気に一度ならず愛想を尽かし、その都度、ダンサーになろうと思ったり、米兵の情婦になったり、新興宗教の教祖になった義兄を頼ったりと焼け跡での流転人生を辿る。貧乏暮らしのリアリズムでは林芙美子の右に出る者はいない。そこには下足番、女工、事務員、女給と芙美子自身が辿った職歴の反映があるだろう。また駄目男に惹かれてしまうゆき子の気質は芙美子のものでもあっただろう。

 成瀬巳喜男は『めし』『晩菊』『放浪記』など林芙美子の原作を六作映画化しているが、高峰秀子、森雅之が…

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