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社説

東京23区の大学定員抑制 若者が地方選ぶ施策こそ

 政府は地方創生の一環として、大学改革の施策を決めた。

     柱は二つある。地域の産業振興と人材育成を担う地方大学を支援することと、都心への学生の流入を抑制することだ。

     特に後者は、東京23区内で大学の定員増を認めない方針を掲げる。23区内で大学が新学部などを設ける場合も、既存学部の改廃が条件だ。

     「東京に学生がみんな吸い上げられてしまう」。そんな思いを地方が抱くような実態は理解できる。

     文部科学省の調べでは、23区の大学の大学院を含めた学生数は52万6000人で、全国の18%を占める。この10年間一貫して増えており、校地移転で都心に集まる傾向も続く。

     一方、地方の大学は恒常的な定員割れに苦しんでいる。特に都市部以外が深刻で、私立大が自治体運営の公立大に転換して、大学存続を図ろうとする例も各地で見られる。

     だが、23区内の大学定員を抑制することで、地方大学が活性化するかは疑問がある。

     2018年以降、18歳人口は急速に減少していく。定員割れを危惧する都市部の大学も出てくるだろう。定員規制にどこまで実効性があるだろうか。また、都心部にしかない学部への進学を生徒が希望した場合、その選択肢を狭める恐れもある。

     問題は肝心の地方大学の支援に迫力が乏しいことだ。

     政府は、東京圏の大学と地方大学との単位互換などで、学生が双方を行き来する仕組みも促している。

     ただ、地元高校生を引き留めるためには、国が総合的な支援策をもっと明確に打ち出す必要がある。たとえば優秀な教員を確保しやすくする支援の具体化や地方大学への奨学金制度拡充も有効だろう。

     若者が東京を目指す理由のひとつに就職の問題もある。行政や大学が地域の企業などと連携して、雇用につなげる努力も重要だ。

     政府が今回、地元に就職した学生への奨学金返済の支援制度などを盛り込んだのは、その反映だろう。

     最近は、経済的な理由などから、東京に進学するよりも、地元の大学を選ぶ若者も増えている。その流れを生かすためには東京への流入規制よりも、地方大学拡充という本道に立ち返るべきだ。

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