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ベネズエラ

政情不安で国外脱出増加

早朝からポルトガル領事館の前で開門を待ち、行列をつくる人たち=ベネズエラの首都カラカスで2017年8月3日午前6時20分、朴鐘珠撮影

 【カラカス朴鐘珠】マドゥロ大統領の専制体制が強まるベネズエラで、政情不安や不況を理由に国外へ移住、または亡命する国民が増えている。4日には大統領派で固めた制憲議会を招集。「圧政」に不満を抱く国民の国外脱出の流れが更に進むとみられる。

 今月3日の夜明け前。首都カラカスの高級住宅街の一角にあるポルトガル領事館前に、老若男女25人が行列を作っていた。

 先頭は午前5時から待っている外科医の女性、ラニ・フィゲイラさん(33)。ポルトガル国籍と旅券(パスポート)の取得手続きに来た。勤務先の病院で犯罪者集団に押し入られ、体を縛り上げられる被害に2度も遭った。犯罪率の高さに嫌気が差し、移住を決意したという。「治安悪化の責任は貧困を解消できない政府にある。制憲議会ができても不況と犯罪の悪循環が改善されるとは思えない」

 隣でうなずきながら聞いていた2児の父、ジルベルト・デフレイタスさん(38)も「(マドゥロ政権の)強権政治は個人の自由を次々に奪う。どこの国でもいいから、私も早く移住したい」

 ベネズエラは移民の多い国だ。ポルトガルやスペイン、イタリアといった、祖先の母国との二重国籍を取得するのは難しくなく、資金さえあれば国外移住のハードルは低い。

 今月に入り、カラカス空港発の航空便は空席がほとんどない。AP通信によると、欧州への移住だけでなく、米国への亡命申請も増加傾向にある。今年1~3月の申請者は8301人で、前年同期3507人の倍以上だ。

 一方、ベネズエラの隣国ブラジルでは国境の街の病院にベネズエラ人の患者が殺到し、地元住民の診察が滞る事態が起きている。ベネズエラの不況に伴う医薬品不足が原因だ。

 ベネズエラの現地通貨ボリバルの価値は、市中で取引される闇レートが今年5月に1ドル=5500ボリバル程度だったが、現在は1万9000ボリバルに迫る勢いで急落。自国通貨の価値が日に日に目減りする現状を目の当たりにし、できるだけ早く外貨に両替して国外に資産を移そうとする国民の意思が働き、移住を後押しする結果を招いている。

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