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陛下のおことばから1年 議論を止めてはいけない

 天皇陛下が退位のご意向を示唆した「おことば」から1年がたった。

     高齢に伴う公務継続への不安を明かした昨年8月のビデオメッセージに多くの国民が理解を示し、象徴天皇の議論を深める契機となった。

     政府の有識者会議は専門家の意見を聞き、衆参両院の正副議長が天皇退位を可能とする法整備に道筋をつけ、国会で退位特例法が成立した。

     退位と改元の期日について政府は今秋にも決める可能性がある。退位時期は2018年末か19年3月末が想定されているという。

     退位と即位にはさまざまな儀式や祭祀(さいし)が伴う。改元は国民生活に影響が及ぶ。円滑に代替わりできるよう政府は準備を進めてほしい。

     こうして退位に向けた環境が整いつつある一方、将来の皇室に関わる皇族減少や安定的な皇位継承といった核心的な課題は残されたままだ。

     正副議長も有識者会議も与野党も「先延ばしできない」と危機感を示すが、安倍政権が具体的な検討に乗り出す気配はない。

     天皇と皇族は計19人おり、このうち未婚の女性皇族は7人だ。秋篠宮(あきしののみや)ご夫妻の長女眞子(まこ)さまは婚約を控える。皇室典範の規定により結婚後は皇族から離れ民間人になる。

     皇族数の減少を防ぐ案として、特例法の付帯決議は女性皇族が結婚後も皇室にとどまれるようにする「女性宮家の創設」を例示している。

     しかし、宮家は皇位継承資格がある男性皇族が創設する習わしだ。女性皇族にも認めれば「女性・女系天皇につながる」と反対意見がある。

     皇位はこれまで例外なく父方が天皇の血筋である男系で継承してきた伝統がある。過去に女性天皇は8人いたが、いずれも男系だった。

     現在、皇位を継げる若い皇族は秋篠宮家の長男悠仁(ひさひと)さま(10)しかいない。先々の皇位を考え女性・女系天皇を認めるべきだとの意見もある。

     男系維持か女系容認かだけでなく、男系を基本とし女性・女系にも門戸を開くという案もあろう。

     付帯決議には政府が「法施行後速やかに」検討を行うとあるが、合意形成には時間がかかる。

     皇室の課題をすくい上げ、制度変更できる権限は政治にしかない。深まった議論を下火にせず、間断なく続けることが必要だ。

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