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名王者が語る

山中慎介 日本記録の13連続防衛へ/中 見えない「左」で確実に 内山高志さん

WBAスーパーフェザー級元王者・内山高志さん(37)

 --印象深かった山中の試合は。

     ◆日本バンタム級王座を初防衛した2011年3月の岩佐亮佑(セレス)戦だ。高校3冠で前評判の高かった岩佐が有利だと思っていた。前半は岩佐に取られたが、後半は山中が全て取り返して十回TKO勝ち。相手を見極めた上で対応した。あれで急に自信をつけて世界も取った。僕も07年に東洋太平洋王座を取って自信がついた。ボクサーにはそういう試合がある。

     --山中の武器は。

     ◆やはり右、左と来るワンツー。相手は見えていない。見えているなら強くても、ある程度は耐えられる。だが、あそこまであっさり倒れるのは、左が見えていないからだ。山中のワンツーは独特のリズムがある。相手が「来ない」と思う瞬間に来る。普通の選手は打つ時に一瞬動いたり、力んだりする。だから相手も避けられる。山中は小刻みなリズムで動き続けながら繰り出す。見た目は同じでも、目のフェイントを入れたり、ボディーを交えたり、右と左のタイミングを微妙に変えたりと、何種類ものパターンを駆使する。

     --左が見えないとは、どういうことか。

     ◆たとえば右の拳を相手の顔の前に出し、視界をふさいでから左を出すとか。目は下を見ながら、上を打つとか。本当に細かい多彩なフェイントを使う。決してパワーがある選手ではない。だが、スピードとタイミングの取り方に良さがある。

     --山中は強打だが、拳を痛めない。

     ◆当てる所が良いというのはある。頭とか硬い部分に当てない。無理な場面で無理なパンチを打たない。空いている所にしっかり打つ。無駄なパンチがあまりない。手数は少ないが当たっている。

     --山中が長期防衛できている理由は。

     ◆精神力の強さだと思う。ボクシングは自分との闘い。運動神経や身体能力、センスが良かろうとハートがなかったら無理。怖がっていてもダメだが、殴られれば痛い。恐怖を振り払って(中に)入れるか。山中はそれができる。【聞き手・飯山太郎】


     ■人物略歴

    うちやま・たかし

     埼玉県春日部市出身。2010年に世界ボクシング協会(WBA)スーパーフェザー級王座を獲得し、15年まで11度防衛した。昨年4月にプロ初黒星を喫して王座から陥落し、同12月の再戦も敗れた。今年7月に現役引退を表明した。37歳。

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